欧州で取材するライターはこう分析する。

「テクニックがある選手がそろっていたが、速さや高さの点で相手に怖さを与えられなかった。スペインも1点差で敗れましたが、攻撃が手詰まりで決定機を作れず、スコア以上の差を感じました。敵陣を切り裂くドリブルで違いを生み出せる三笘薫(ブライトン/イングランド)のコンディションが万全でなかったのも痛手でした」

 では、今回のチームが勝てる要素は何だろうか。

傑出したスーパースターがいなくても

「MF三戸舜介、MF斉藤光毅(いずれもスパルタ・ロッテルダム/オランダ)、MF平河悠(ブリストル/イングランド)とタイプの違うドリブラーがそろい、三戸と斉藤は同じクラブでプレーしているのでコンビネーションも強みです。攻撃的なポジションで決定的な仕事ができる荒木遼太郎(FC東京)、高さと巧さを兼ね備えたFW藤尾翔太(町田ゼルビア)も得点力が高い。攻撃のバリエーションが多いのが強みです」(前出のライター)

 マリ戦で決勝点を決めたボランチの山本理仁(シントトロイデン/ベルギー)も得点力が上がっている。特定の選手に依存しない攻撃パターンはデータに現れている。グループリーグのデータを見ると、三戸、藤尾、山本が2得点を挙げ、細谷が1得点と多彩だ。傑出したスーパースターはいないが泥臭く、球際に強く、前への推進力がある。

 こうして、グループリーグでは最高の結果を残した日本。勢いそのまま、といきたいところだが、決勝トーナメントはまったく“別物”の戦いとなる。

 スペインはEURO2024を制覇したメンバーのMFアレックス・バエナ(ビジャレアル/スペイン)、FWフェルミン・ロペス(バルセロナ/スペイン)のほか、オーバーエイジで招集されたDFフアン・ミランダ(ベティス/スペイン)、DFセルヒオ・ゴメス(ソシエダ/スペイン)、FWアベル・ルイス(ブラガ/ポルトガル)が中心となり攻守のバランスがいい。試合の主導権を握られる時間帯が多くなると思うが、失点を許さず少ないチャンスに勝機を見出したい。

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