Emin Yurumazu(44)/エコノミスト。東京大学大学院を修了後、野村証券入社。今年レディーバードキャピタルを設立、代表に就任(写真:小山幸佑)
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 新NISAで買われている投資信託で米国株の次に人気なのがインド株。「米国より伸びしろありそう」「これからの成長がすごそう」という期待感だろうが本当に長期投資で利益が出るのか。良心的な投資信託が増えた今こそ検証。AERA 2024年8月5日号より。

【図表を見る】6年後にインドの生産年齢人口が世界一になる!?

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 新NISAの投資信託で人気なのは「全世界株式」「S&P500」など米国株が中心だが、その脇で存在感を放つのがインド株の投資信託だ。2024年1~3月の主要ネット証券5社の新NISAでの投資信託買い付け金額を集計すると、上位30本中、5本がインド株だった。新NISAという縛りを外し、6千本近い投資信託すべてを対象にした純流入(新たに買われた)ランキングを見ても、6月末時点で上位30本中、6本がインド株投資信託。

 インド株が人気の理由は「成長期待」と言われるが、具体的には? auアセットマネジメントプロダクト営業部の小島一徳さんに取材した。

 まずは、国の成長性という意味でGDP(国内総生産)の数字を検証してもらった。GDPとは一定期間内にその国で新たに生まれたモノやサービスの付加価値の合計額のこと。

「名目GDPは23年度が1位米国、2位中国、3位ドイツ、4位日本、5位インドです。金額では米国が27兆ドル、インドが3.5兆ドルなので8倍近くの差ですが、名目GDP成長率は米6.3%、印6.5%と米国に肩を並べています。27年度には日本とドイツを抜き、インドが世界3位になる予測があります(IMF=国際通貨基金のデータ)」

30年に生産人口世界一

 名目GDPは「価値の総額」で、その時点の経済規模を知りたいとき役立つ。名目GDPから物価変動の影響を除いたものが実質GDPで、こちらは成長過程を時系列で見ることに向く。

 図に注目。日米印の実質GDP成長率の比較だが、直近はインド7.8%、米国2.5%、日本1.9%。なお中国は5.2%だ。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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