イラスト/西田ヒロコ
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 個人投資家の桶井道(おけいどん)さんの連載「おけいどんの投資&適温生活LIFE」。今回のテーマは投資の出口戦略の実際についてです。出口戦略とは、投資で増やしたお金を将来どのようにして利用できる形にするか、その方針のこと。桶井さんは「ただ現金化するだけでは、長生きした場合にいつ資金が尽きるか不安になってしまいます」と言います。長生きリスクを考慮したうえで、出口戦略はどんな方法が考えられるのか。桶井さんの著書『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)の一部を抜粋し、編集しました。

主に3つの出口戦略が考えられる

投資の出口戦略として考えられる方向性は、大きく分けて次3つです。

 このうち、①の全額現金化は非現実的です。老後に資産運用をせずに逃げ切る、つまり死ぬまで生活に必要な現金を維持するには、現金化した時点で相当な資産が必要だからです。 自分の寿命がいつ終わるかはわかりませんし、昨今の物価高のゆくえも気になります。いくらあれば安全圏か、事前にはわかりません。

 また運用なしでは現金が減る一方になりますから、仮に資産額には余裕があったとしても(あるように思えても)、メンタル的によくありません。やはり、なんらかの方法で運用を継続するのが現実的でしょう。

投資信託の取り崩しに「老い」が立ちふさがる

 ②の投資信託の取り崩しはどうでしょうか? 先に結論から言うと、私はオススメしません。投資信託は、分配金を出さずに自動で再投資するタイプであれば、お金の増え方の面では効率的なケースが多いです。そこは否定しません。しかし、投資は「数学的要素(=効率)」だけでは語れません。人間には心があることと、老化により能力が落ちることが問題となります。

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桶井道(おけいどん)

桶井道(おけいどん)

桶井 道 (おけいどん) 個人投資家(投資歴20数年)・物書き。 1973年生まれ。会社員人生25年間「労働+節約+貯金+投資」の歯車を回し続けて、2020年47歳で資産1億円とともに早期退職した。それから3.5年で資産を1.8億円にまで成長させる。投資先は世界30か国の高配当株や増配株、ETF、REITなど幅広い。 現在は両親(父は難病で要介護5、母はがんサバイバー)の介護・見守りをしつつ、物書きとして第二の人生を満喫している。子ども食堂への支援も行う。 著書は『今日からFIRE! おけいどん式 40代でも遅くない退職準備&資産形成術』『月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式 ほったらかし米国ETF入門』(ともに宝島社)、『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)など。連載は「アエラドット」「マネー現代」「プレジデントオンライン」。 ◆ブログ『おけいどんの適温生活と投資日記』 https://okeydon.hatenablog.com ◆著者による書籍 https://www.amazon.co.jp/stores/%E6%A1%B6%E4%BA%95-%E9%81%93/author/B08Y93HR3H?ref=ap_rdr&isDramIntegrated=true&shoppingPortalEnabled=true

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