「いまのあなた」はできるが「老いたあなた」は判断を誤る
また、人間は老います。老化とともに投資に必要な判断力、視力、手指の動きなどが鈍くなります。「いまのあなた」はあたり前に投資判断ができるかもしれませんが、「老いたあなた」は判断を誤ったり、判断ができなくなったりします。認知能力が落ちるからです。「いまのあなた」は文字がはっきりと見えます。
たとえば「6」と「8」や、「バ」と「パ」を見間違えることはないでしょう。しかし「老いたあなた」は、老眼や白内障を患っていて見間違える可能性があります。「いまのあなた」は手指が自由に動いて、スマホやパソコンを自由に操作できています。しかし「老いたあなた」は、現在のように手指が自由に動 かなくなるものです。「いまのあなた」が普通にできることでも、「老いたあなた」はいろいろとできなくなるのが現実です。
あなたがまだ若ければ、きっとご両親も高齢ではなく、老いるということを具体的に想像できないと思います。しかし仮にあなたが30代なら、10代の頃のようなほとばしるエネルギーはもう自分にはないことを感じているはずです。40代にもなれば、徹夜をしたら翌日は確実に堪えます。50代ならば老眼が始まっているでしょう。
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私自身のことを言えば、40代後半から手元の文字が見えにくくなりました。こうして冷静に考えてみれば、誰しも老化に伴う能力の低下を感じているはずなのです。私は、父が高齢になって「鈍く」なり、それを自覚して自ら投資家を引退する姿を目のあたりにしました。高齢になると、自分もきっといまのようにはいかないな……と痛感したものです。
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