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冒頭陳述の内容は「違っている」
法廷の内容を伝え聞いた中願寺氏は、
「藤井氏にも事情があるのだろう。古巣、鹿児島県警の顔を立てつつ、警察内部の真実、実情も知らせなきゃいけないという法廷だったような気がする。まじめで正義感の強い、藤井さんらしいなと感じる」
と話した。
そして、こう疑問を呈した。
「鹿児島県警と検察は、藤井さんが私に提供したという告訴・告発事件処理簿一覧表の現物を確認すらせずに立件している。藤井さんが私に送った中身が本当に告訴・告発事件処理簿一覧表だったのか、送付人として藤井さんの名前があったのか、まったく判明していないはずだ。よくこれで事件化したなと思います」
検察の冒頭陳述によると、藤井被告は中願寺氏に、告訴・告発事件処理簿一覧表を、
「2023年9月20日から10月20日頃までの間に、鹿児島市内の病院の敷地内で手渡した」
ということになっている。
しかし、中願寺氏は「客観的な証拠」があるとして、
「情報源の秘匿があるので詳しくは言えませんが、9月初め頃、すでに告訴・告発事件処理簿一覧表は私の手元にあった。場所についても、その時期、病院なんて行ったことがない」
とも語った。
藤井被告が逮捕されたのは4月8日。県警は同日、中願寺氏の自宅兼事務所を家宅捜索し、中願寺氏が使っていた携帯電話やパソコンを強制的に押収した。
「令状を読む前に携帯電話を奪われた」
中願寺氏は言う。
「捜査状況から、そろそろガサ(家宅捜索)に来るんじゃないかと思っていたら、4月8日朝にインターホンが鳴った。『中願寺さん、鹿児島県警です』というのでドアを開けると、2人の刑事らしき男が見えた。『捜索差押の令状が出ている』というので見せろと言いました。刑事はそれを私の顔のところまで突き出した。私はメガネをかけており、視力はよくない。手に取って読ませるようにと令状に触れようとしたとき、『これだ』と私の右手をはたいて、持っていた携帯電話を奪い取りました」
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