6月19日、共同記者会見を行う(左から)石丸伸二氏、小池百合子氏、蓮舫氏、田母神俊雄氏
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 作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は東京都知事選について。

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 東京都知事選まっさかり。先頭を走る小池百合子氏に蓮舫氏がどんどん追いつき、蓮舫氏の後ろに石丸伸二氏の息づかいが感じられるような今、あと数日で東京の空気はどう変化していくだろう。

 読売新聞の調査(6月28日~30日)によれば、「有権者の5割近くを占める無党派層は、3割が小池氏を支持。蓮舫氏と石丸氏を支持する無党派層はともに1割強だったが、石丸氏がやや上回った。男女別では、小池氏は男女ともに支持が厚めで、蓮舫氏と石丸氏は女性の支持が少なめだった」。毎日新聞の調査(同29日~30日)でも小池氏は30〜60代の幅広い支持を受け、男女別では女性からのかなり強い支持があるという。そして「若者支援」を訴える蓮舫氏の最も厚い支持層は70代以上である。

 支持政党のない無党派層や女性たちは百合子(すみません呼び捨て)を、(原稿を書いている7月3日の時点では)選んでいるのだ。

 まだ数日ある選挙戦で風が変わるかどうかはわからないが、女性票をこれだけ掴む百合子人気とは何なのか。また、蓮舫氏が小池氏ほど女性の支持を得られていないとしたら、いったいなぜなのだろう。

 数日前、街を歩いていたら選挙カーが背後からやってきた。やる気のない男性の声で、「今の日本、変えたいじゃないですか〜」とダラダラと話している。あ、つばさの党が来た!と思った。ダラダラとした男の喋り=つばさの党、私のイメージである。その後に続けて「れんほー、あの顔で、予算8.5兆円の都庁に乗り込むんですよ〜、変わらないわけ、ないじゃないですか〜」とダラダラと話している。「ああ、やっぱりつばさの党か」と思っていたら、「れんほー、れんほー、れんほー」と男性の声が続けて言うのであった。驚いた。蓮舫氏の選挙カーであった。

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マッチョな左翼臭さ