皇室には、数多くの祭祀や宮中行事があり、さまざまな格式やルールがある。そんな「伝統」を守ってきた皇族方の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2024年3月3日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
【写真】思わず見とれてしまう!愛子さまや雅子さまのティアラとドレス
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天皇誕生日の2月23日、天皇陛下は全国から皇居に集まった約1万6千人から祝賀を受けた。宮殿のベランダには、皇后雅子さまと長女の愛子さま、秋篠宮ご夫妻と次女の佳子さまも立ち、参賀者からの大きな歓声に応えた。正装であるローブモンタントで手を振る女性皇族方。そのなかで雅子さまは、柔らかな布地のドレスをお召しだった。そこには理由があった。
品の良いロイヤルブルーに淡い黄色、深みのある紺に光沢のある白――。皇居・宮殿での行事で女性皇族が着用する美しいドレス姿は、ロイヤルならではの光景である。
今回の一般参賀で雅子さまや愛子さま、紀子さま、佳子さまが着用したのは、日中の正装であるローブモンタントだ。
ローブモンタントは通常、ハリ感のある布地で仕立てられる。愛子さまや紀子さま、佳子さまのように、皇室では京都の絹織物を用いてドレスが作るのが一般的だ。
愛子さまの光沢のある白い布地にブルーグレーのアクセントがローブモンタントは、初お目見えのドレス。
佳子さまのロイヤルブルーのドレスは昨年の「歌会始の儀」で着用したもので、華やかな帽子の青い薔薇は、佳子さまによく似合っている。
一方で雅子さまは今回、ベルベットのような柔らかな素材のドレスを選ばれていた。昨年の新年一般参賀も、デザインが少し異なるが、ベルベットのような素材のロイヤルブルーの布地の胸元と袖口、帽子にビーズで豪華に装飾されたドレスだった。
雅子さまはベルベット調のドレスを、ここ数年の一般参賀や宮殿での「講書始の儀」などでもお召しだ。この素材のドレスは皇太子妃時代にも着用していたが、ここ最近のものは肩や腕まわりなどがすこしゆったりと身体に優しそうで、着心地もよさそうに見える。