そのほかの副作用としては、それほど一般的ではないものの、頭痛、乳房の痛み、吐き気などが挙げられます。また、インプラントを入れた腕に一時的な痛みやあざ、または感染症が生じることもあると言います。

 インプラント挿入にできた小さなアザや傷も、数ヶ月ですっかり消えてしまいました。そのため、挿入から1年が経過した今では、どこに避妊インプラントが入っているか、パッと見ただけでは全くわかりません(皮下に挿入されているため、触れるとどこにあるかは、すぐにわかります)。

 避妊インプラントを挿入することによるデメリットとして忘れてはならないのが、性感染症の感染を予防することはできないことです。性感染症のリスクを大幅に軽減させるためには、コンドームを使用が必要になります。つまり、予期せぬ妊娠を防ぎ、性感染症から身を守るためには、コンドームと 避妊インプラントを併用することが、重要になるというわけです。

費用は高額?

 ちなみに、「Planned Parenthood 」によると、避妊インプラントの費用は、0~2,200ドルかかり、インプラントの除去には0~300ドルかかるとあります。しかし、幸いなことに、避妊インプラントはほとんどの健康保険、メディケイド、その他の政府プログラムにより、完全に無料(または低額)となるようです。

 私自身、当時、医療保険に加入することができていませんでしたが、医療保険に加入していない人用の保険を紹介され、その場で加入したことで、ありがたいことに挿入費用は無料でした。それに加えて、日本で低用量ピルを毎日内服していた時のコストが、生理用品代と合わせて毎月3000円前後でしたから、最大5年間で18万円もコストを削減できるとなると、インフレのご時世、ありがたいことこの上ありません。

 とはいえ、日本はまだ未承認であり、承認されたあかつきに、どれくらいの費用がかかるのかは未知数です。女性が毎月負担している月経に伴うコスト(生理用品、低用量ピル、鎮痛剤など)は、年間単位で考えると相当なもの。どうか女性目線で薬価などが決められることを願うばかりです。

 最後に、避妊インプラントのおかげで、月経に悩まされることのない日々を過ごしている私ですが、最近、少々気掛かりなことがあります。それは、将来的に妊娠を希望することで、避妊インプラントを取り出さないといけなくなることです。すぐに妊娠することができなかったら、また、あの辛い月経痛に耐えなければならないのかと思うと、とても怖いなと思ってしまう、今日このごろです。

【参照URL】

(※1)https://www.plannedparenthood.org/learn/birth-control

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山本佳奈

山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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