■反省キャラはすぐ飽きられる?

 とにもかくにも、芸能界へ復帰してまもなく1年になろうとしている渡部建。しかし、いまだ全国ネットの出演には至ってないことが、彼の本格復帰の困難さを物語っている。民放バラエティー番組プロデューサーはこう明かす。

「ABEMAでの活躍以降、他からもいくつかオファーが来ているようですが、すぐにテレビ復帰とはならないでしょう。というのも、彼がレギュラー出演していた『行列ができる相談所』のようなゴールデン番組に復帰するのは現時点ではどう考えても難しいため、地道にネット配信系から始めるしかない。しかし、ABEMAはバズりやすいため、視聴者の賛否も込みで世の中に広まってしまう。今は確かに好意的なコメントが多いですが、やはりリスクの高い芸人を地上波ゴールデンにキャスティングするのは難しいでしょう。ひとつだけいえることは、今のような『謝罪モードの渡部』を続けても視聴者はすぐに飽きてしまうということ。渡部さん自体は博識でスキルも高いので、NewsPicksやネットの情報番組とは非常に親和性が高い。いっそのこと芸人復帰は諦めて、ネット限定の博覧強記なタレントを目指すのが彼の最適解だと思います」

 お笑い評論家のラリー遠田氏は、渡部の現在の状況についてこう評する。

「今の渡部さんが苦戦している最大の理由は、今後どういうふうに仕事をしていきたいのかについて、確固たる戦略がないように見えるところです。実際は本人の中には作戦があるのかもしれませんが、不祥事について反省しているというポーズをどうしても崩すことができないので、自分から積極的に動けない。そのせいで周囲の人も渡部さんがどうしたいのかがわからない、という悪循環に陥っているように見えます。この状況を打破するには、どこかの段階で開き直って、自分のやりたいことをはっきり打ち出して、そこに向かっていくしかないでしょう。もともと能力はある人なので、開き直ることさえできれば、そこから少しずつ仕事の幅は広がっていくはずです」

 いばらの道を進み続ける渡部に今年、チャンスは巡ってくるのか。(藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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