「普通に県庁で仕事をしている職員なら、疑惑のことは1度や2度は聞いたことがある。マスコミやSNSで出るたびに、職員は『また暴露されてきた』と喜んでいます」

 丸尾県議は告発文書をきっかけに、県職員へのアンケートを実施した。パワハラについては回答した21人のうち7人、贈答品については6人が見聞きするなど「知っている」と指摘したという。
 

 県庁外で行われる公務の際、斎藤知事には個室の用意が必要になる。丸尾県議は、「尼崎市のイベントでは、授乳室を知事専用の個室にしていたとの情報が寄せられ、知事も認めました。私のアンケートは個人としてやりましたが一定の成果があった。百条委では全職員のアンケートを実施する方向。さらに厳しい追及になるでしょう。証人として県職員が呼ばれることになるだろうが、斎藤知事には人事などで不利益にならないようにしてほしい」と話す。
 

吉村知事「事実関係を発信された方がいい」

斎藤知事(左)と吉村知事

 斎藤知事は、総務省から大阪府の財政課長に出向していた時期がある。「吉村洋文知事から受けがよく、それで兵庫県知事という道が開けた」(大阪府幹部)

 内部告発で混迷の一途をたどる斎藤知事について、吉村知事は記者会見で、「斎藤知事が(自身で)事実関係を発信された方がいい」と話した。

 斎藤知事は「百条委員会の設置は大変重い。自分の言葉で説明できるか機会を設けたい」と述べている。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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