「愛との生活を披露するYouTubeチャンネルの収益はすべて猫の保護活動を行うNPOに寄付するという徹底した猫愛ぶりです。愛猫家として出演するときは、トレードマークのタンクトップにバンダナ姿ではなく、素のままの中年ルックで出ており、猫との暮らしで見せる物静かな雰囲気がいいギャップになっています」(前出のテレビ情報誌編集者)
 

 一方、池崎には破天荒なパブリックイメージとかけ離れた堅実家のエピソードも多い。ブレークから5年余りで奨学金を一括返済、廃墟寸前の実家に暮らす家族に新築の家をプレゼントした上で、貯金額6000万円超を達成するなど話題になったことも多い。

「池崎さんは大学2年の頃から両親に頼らず奨学金とアルバイト代で学費や生活費をまかなったと言います。卒業後の進路を芸人に決めた後は、就職せずお笑いのスクールに通い、一途に芸人の道を目指してきました。2016年に『R―1グランプリ』で決勝に進出、翌年本格的なブレークを果たすまで、実に10年近い下積みがあったそうです。腹をくくってやり切る強さが池崎さんの魅力を下支えしているのかもしれません」(女性向け芸能メディアの編集者)
 

投げ銭で234万円獲得

  同じ事務所で共通点も多いあばれる君との対談での池崎の発言が象徴的だろう。「やれなかった日って本当にあとがツラいよね。あそこでアレやっとけばよかった!って思うのがイヤだし、それならやって怒られたほうがいい」と「とにかくやるぞ!って気持ちを持つこと」と話している(「QJweb」2021年3月22日配信)。

「普段の自分と芸人としての自分に迷うこともあったようですが、今ではすっかり振り切れているそうです。『スベリもせずにゼロでいたら、何もないゼロのまま。この当たり障りのない状態が、一番キツイということを知っている』と、迷ったら攻めるほうを選ぶようにするとインタビューで話していました。やりきることができず、一発屋の壁を乗り越えるのに苦労したからこそ、悔しさを糧にしてきたのかもしれません」(前出の放送作家)

 元週刊SPA!副編集長で芸能デスクの田辺健二氏はサンシャイン池崎の魅力をこう分析する。

「サンシャイン池崎さんは一発屋のキャラ芸人に見せかけて、意外にも多岐にわたる才覚を持っており、息の長い芸人として今後も活躍が期待できます。個人のYouTubeチャンネルも固定ファンがしっかりついており、すでに登録者数60万人目前の人気ぶりです。なかでも、2年前に生配信で敢行した『10時間でジャスティス1万回』企画は、彼の持ちネタである『ジャスティス』をただただ1万回やり続け、約7万人が見守るなか、最終的に『音を置き去りにするジャスティス』を会得したところで終了。投げ銭は総額234万円に達するなど伝説を作りました。こういったパワープレイはまさに池崎さんの真骨頂。昨今は愛猫家としてクローズアップされることも多かったと思いますが、得意のパワープレイをより量産すれば、もっと芸人としての振れ幅が出るはず。今一度、原点に戻って、予測不能なパワープレイに磨きをかけることが大ブレークへの近道だと思います」
 

 逆境をものともせず、マイナスをマイナスと捉えず、腹をくくってガッツリ人と向き合う姿勢から、「厳しくも“優しい”笑い」で再ブレークした池崎。今後も、どの世代も安心して見られる笑いを提供してくれそうだ。(雛里美和)

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