今日1月3日は「仏滅」ですが、明日1月4日は2016年初の「大安」ですね。
大安=よい日、という印象から、仕事始めにすると縁起がよい……と、思われる人が多いかもしれません。
でも、六曜(ろくよう・りくよう)、六輝(ろっき)ってそもそも何のことかご存じですか?
年配の方は六曜について詳しい方も多いでしょうが、「赤口」「先負」などの正しい読み方や意味を知らない……というデジタル世代も多いはず。
神事が多い年明けに際して、せっかくなので六曜あれこれを確認してみましょう。
大安・仏滅・友引ぐらいは知っているけれど……
「結婚式は大安に」 「お葬式に友引はダメ」 「仏滅は縁起が悪い」
社会経験のない10代はともかく、社会人としてある程度の経験を積んだ大人なら、ほとんどの日本人が持っているイメージといえば、こんなところでしょうか。
「それって、冠婚葬祭カレンダーのことでしょ?」
いえいえ! これは「六曜(ろくよう)」もしくは「六輝(ろっき)」というもので、暦を6種類の吉凶で区別したものです。
中国で生まれ、日本に伝わったのは14世紀ごろのようですが、広く使われるようになったのは幕末以降。
時代とともに使われる漢字や意味も変わってきたのだそう。
六曜の読み方と意味
では、読み方と意味を紹介しましょう。
●先勝(せんしょう/さきかち/せんかち)
文字そのまま、「先んずれば勝つ」という意味で、急ぐことがよい。
行事なども早いほうがよいので、午前中が吉、午後は凶です。
●友引(ともびき/ゆういん)
もとは「共引」で「物事に勝敗がない」という意味が、やがては“友を引く”として葬儀に適さない日に。昼は凶。午前、夕方、夜は吉のため、大安の次にお祝い事にはよい日。
●先負(せんぷ/さきまけ/せんまけ)
先勝の反対で「先んずれば負ける」という意味。急がず慌てず、すべて平静にしたほうがよい。午前中に物事を行うのは凶、午後なら吉に。
●仏滅(ぶつめつ)
仏様も滅亡するほど最低の日、という意味ですべての物事が凶とされる。「物滅」ともいわれ、「ものを失う」という意味も。婚礼などのお祝い事はこの日を避ける習慣がある。
●大安(たいあん/だいあん)
「何事も大いに安し」、つまりはすべてにおいて吉という意味。仏滅と反対で、お祝い事をはじめ、旅行や引っ越しなどを行うには終日よい日。
●赤口(しゃっこう/せきぐち/しゃっく)
現在の正午、昔でいう「牛の刻(午前11時頃から午後1時頃)」のみが吉で、他はすべて凶。特に、祝い事は大凶! 赤の色が火や血を連想させるため、そのような仕事を持つ人は気をつける日とも。
── 読み方はいろいろあるようですし、どれも吉凶を示していて、はじめからわかっている“おみくじ”みたい!
占いのようでもあり、単なる迷信のようにも見えますが、なぜか冠婚葬祭や建築など、日本人のさまざまな行事の日を決めるガイド的な役割を担い、現在も一部のカレンダーに記載されて広く利用されているのが実情です。
伝来元の中国では、とっくに使われていないというのも面白いですね。
六曜は、決まりを当てはめればすぐわかる
実はこの六曜、順番が決まっています。
●【日の順番】
「先勝」⇒「友引」⇒「先負」⇒「仏滅」⇒「大安」⇒「赤口」
この順番で、次はまた「先勝」……とくり返すのが基本です。
現在の1週間は7日ですが、昔は1週間が6日だったと考えるとわかりやすいかもしれません。
では、始まりはいつなのかというと……次の決まりがあります。
●【月の始まり】(旧暦において)
1月と7月の1日⇒先勝
2月と8月の1日⇒友引
3月と9月の1日⇒先負
4月と10月の1日⇒仏滅
5月と11月の1日⇒大安
6月と12月の1日⇒赤口
すべては旧暦*が基本です。
*旧暦は月の満ち欠けをベースにしたもので、新月(朔)の日を一日として数え、ひと月はおよそ29.5日。ひと月が29日の月と30日の月が交互にやってきます。
今年、2016年を例にとってみましょう。
旧暦の1月1日は現在のカレンダー(新暦)では2月8日、つまり、新月(朔)で、上記の【月の始まり】に当てはめると「先勝」に該当します。そこから【日の順番】を当てはめていくと、
翌日2月9日(旧暦1月2日)は「友引」、2月10日(旧暦1月3日)は「先負」、2月11日は……と、決まっていくわけです。
ところが、順に見ていくと【日の順番】が狂うところが出てきます。なぜなら、六曜は新月が来るたびにリセットされるからです。
旧暦の2月1日(新暦3月9日)は6連続の六曜の順番でいくと「先勝」ですが、【月の始まり】の2月1日は「友引」となります。必ずしも六曜の単純な繰り返しにはならないわけですね。
信じる・信じないは自分次第
現在のカレンダーは太陽の動きをもとにした太陽暦(グレゴリオ暦)です。
それに対して月の動きをもとにしたのが旧暦で、六曜は旧暦で決められたもの。
「仏滅」や「大安」など宗教的意味合いがありそうですが、宗教とは全く関係ありません。
月や太陽と関係があるとなると、神秘的でもあり陰陽師の存在もわかるような気がしますが、実は、前述のように、旧暦の月日の数字が割り振られているだけです。
大安吉日に買った宝くじが必ず当たるわけではありませんし、仏滅に結婚しても生涯を幸せに暮らす人もいるでしょう。
今回は六曜のことをご紹介しましたが、知識として知ってはいても、それを気にするかどうか、信じるかどうか……、すべては個人の判断に委ねられているようです。