日本中の投資熱を煽るがごとく盛況な新NISA。オルカン、S&P500の商品名もすっかり定着してきた。特に初心者でも安心だとされる積み立て型が人気なのだが、保有資産6億円の投資家・上岡正明氏は積み立て重視の風潮に疑問を投げかける。著書『日本株で新NISA完全勝利(アスコム)』からその理由を紹介する。
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新NISAには、以下の「2つの枠」があります。
①つみたて投資枠
②成長投資枠
①は、国が定めた条件をクリアした投資信託とETF(上場投資信託)の中から商品を選び、通常は毎月一定額、積み立てする枠です。年間、120万円まで投資できます。②は、投資信託だけでなく、国内株式や外国株式など、幅広い商品に投資することができる枠です。こちらは積み立てだけでなく、一括で利用することも可能です。年間、240万円まで投資できます。つまり①と②合わせて、最大で年間360万円まで投資できることになります。
新NISAで投資できる上限(生涯投資枠)は、①と②合わせて1800万円です。年間360万円ずつ投資していけば、最短5年で上限に達することになりますね。
注意点としては、成長投資枠は最大1200万円までという上限があることです。1800万円すべてを、成長投資枠にあてることはできません。一方、つみたて投資枠には上限がありません。つまり、1800万円すべてをつみたて投資枠で埋めてもいいということです。
インデックスファンドの積み立てだけでは
「新NISAは、オルカンかS&P500を選んでおけばOK」
「毎月コツコツ積み立てて、あとはほったらかしでいい」
みなさんは、こんなふうに決めつけていないでしょうか? それもしかたないかもしれません。メディアも、証券会社も、ファイナンシャルプランナーも、アナリストも、インフルエンサーも、こぞってそのようにアドバイスしているからです。