オルカンやS&P500などのインデックスファンドは、当然ですが、指数以上のスピードで資産が増えることはありません。市場の平均しか取れない、ということです。利回りでいえば、オルカンなら6%、S&P500なら8%といったところでしょうか。もちろん、それで十分だという人もいるでしょう。でも、それ以上にリターンを得ようと思うなら、自分のスキルを高めて平均以上を取っていくしかありません。
積み立て投資の弱点③ 長期間の退屈さに人は耐えられない
意外かもしれませんが、これが積み立て投資のもっとも致命的な弱点だと思います。
積み立て投資は、基本的に「苦行」だと私は思っています。何十年もの間、他の投資には目もくれず、同じことをコツコツくり返す。どんなことがあってもめげずに継続する。未来を信じて、毎月お金が引き落とされることに耐える。
積み立て投資は、みなさんが想像している以上に地味な作業です。この退屈さに耐えられる人がどれほどいるのでしょうか。
「◯歳の人が◯年間、月◯万円を積み立てたらこうなる」
上のようなシミュレーションのグラフを、目にしたことがあると思います。しかし、本当にシミュレーションどおりにできる人が、どれだけいるのでしょうか。私は疑問に感じています。そもそも人間は、そんなふうにできていないと思います。
たとえば今後、バブル期のような日本株ブームが到来するかもしれません。日経平均株価が4万円を超え、誰もが日本株の恩恵に酔いしれる。そんな場面が訪れるかもしれません。そんなときでも、インデックスファンドの積み立てをコツコツ続けられるでしょうか。「億り人」が続々と誕生するのを横目にしながら、耐えることができるでしょうか。
そして長い人生、途中で「飽きる」ことはないのでしょうか。他のことにチャレンジしてみたくならないでしょうか。それは非常にもったいないことですが、何十年という長期にわたって積み立て投資を継続することは、みなさんが想像している以上に難しいものです。ある意味、「つみたて力」とでもいうべき、特別な能力が必要です。
そんな「苦行」に、あなたは耐えられますか? 少なくとも、私は耐えられそうにありません。
※投資は個々人の判断と責任において行うのが原則です。