肩に担いだ筒状の発射器からロケットを砲撃して戦車やヘリコプターなどを破壊する武器、ロケットランチャー。紛争地域の映像などで目にする軍事用の武器が、北九州市の草むらで見つかった。
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5月31日、福岡県警は北九州市小倉南区の河川敷で、ロケットランチャーや拳銃、手りゅう弾など多数の武器を発見したと発表した。前日の30日夕方、付近で散歩中の女性から、
「ピストルなどが入った箱がある」
と110番通報を受けて県警が捜索したところ、プラスチック製の箱に大量の武器が入っていた。長さ1メートル以上もあるロケットランチャーが複数あり、実弾が入っている状態だったという。
「付近には住宅が点在している場所で、爆発物専門のチームが出動して、武器を押収した。武器が必要なのは、暴力団以外には考えにくいので、銃刀法違反などで捜査している」(捜査関係者)
暴力団にとって最強の武器
北九州市では、ロケットランチャーなどの武器が見つかった事件が2012年にもあった。北九州市を本拠にしている指定暴力団、工藤会と親交がある男が管理する倉庫から、ロケットランチャーやけん銃、銃弾が見つかり、近所の住民を避難させて、倉庫から武器を運び出す騒ぎになった。
「ロケットランチャーは、筒状の発射装置にロケット弾を詰めて発射する武器。人間が担いで移動できる機動力があり、戦車をも打ち抜ける威力がある。暴力団にとっては最強の武器ではないか」(前出・捜査関係者)
これまでにも、暴力団が軍事用の武器入手を試みた事件や、実際に使用した事件があった。
1985年9月、指定暴力団、山口組系暴力団幹部らが米国ハワイへロケットランチャーやマシンガンなどの武器を買い付けに行き、現地当局の「おとり捜査」によって銃器密輸容疑などで逮捕された(後に無罪)。
1988年5月には、山口組と一和会の抗争で、一和会の山本広会長の自宅が襲撃された際、けん銃とともに、てき弾が使われた。てき弾は対戦車戦にも使われる威力の大きな重火器。この襲撃の際は、自動小銃M16の先端に差し込んで発射されていた。