中華料理 ぼたんの「オムライス」1000円/まろやかなケチャップと豚の脂が一体になれば中華の味。ホッとする見た目、スプーンをさし入れるワクワク感……。昔ながらのスタイルを保ち続けているのが特別なのだ
(撮影 キムラミハル)
中華料理 ぼたんの「オムライス」1000円/まろやかなケチャップと豚の脂が一体になれば中華の味。ホッとする見た目、スプーンをさし入れるワクワク感……。昔ながらのスタイルを保ち続けているのが特別なのだ (撮影 キムラミハル)
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 7日放送の「ザワつく!金曜日」(テレビ朝日・毎週金曜午後6時50分)は、“オムライスVSカルボナーラ"「究極の2択」で多数派予想をする。オムライスかカルボナーラかで、長嶋一茂、石原良純、高嶋ちさ子が白熱議論を交わす! そんなオムライスにまつわる過去の人気記事を振り返る(この記事は「AERA dot.」で2023年2月23日に配信した記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。

【写真】これが店主のこだわりが詰まったカレーチャーハンだ!

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 町中華といえば、チャーハン、餃子、麻婆豆腐に各種の麺。でも、忘れてはいけない隠れた人気メニューがある。オムライス、そしてカレーだ。ラードを使ったチキンライスやラーメンスープを使ったカレーなど、町中華ならではの個性あふれる味わいがクセになる。2月7日に発売された『東京・大阪 名店の味が再現できる!ひみつの町中華レシピ』が、町中華オムライスとカレーのうまさの秘密探るべく、東西の人気店を取材している。なかでも人気の2軒を公開したい。
 

ケチャップ×豚の脂で中華のオムライス

 町中華なのにオムライスの名店とされるのは、東京・浅草の「中華料理 ぼたん」だ。実際に訪ねると、入り口には江戸紫のパリッとしたのれんにぼたんの文字。1948年に創業し、70年以上のあいだ町の中華料理店として地元民の腹を満たしてきた。現在は三代目の店主と四代目の息子が店を切り盛りする。

 昼飲みにもぴったりの餃子や、スープを毎朝仕込むラーメンなど、定番メニューの中で近年人気が高まっているのがオムライスとチキンライスだ。芸術点高めの懐かしい見た目もあってか、昔からの常連客に加えて20代の若い層からも支持されている。

 中華料理店らしさを感じるチキンライスの味わいは、ラードを使って強火でしっかり炒めることで生まれていた。まろやかなケチャップの酸味と豚の脂のうま味をまとい、一口食べれば頬がゆるむ。上にかかったケチャップとの味のコントラストで、飽きずにペロッと完食。店主の川瀬茂高さんが、惜しげもなく教えてくれたレシピは、『ひみつの町中華レシピ』に収録している。

まかないから生まれたカレーチャーハン

「ぼたん」の70年には及ばないものの、カレーの名店も創業55年を超える老舗。初代店主が長崎県出身ということから看板商品はちゃんぽんや皿うどんだという東京・西大井の「美華飯店」だ。この美華飯店に、「カレーチャーハン」なるメニューがある。カレー味のチャーハンではなく、チャーハンにカレーをかけたものだ。

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