「どちらかというとただスケボーを楽しんでる女の子。ガツガツ滑るし、やる気というか気合というか勢いがすごくて。もともとの滑りのスピードがすごくある。もちろん本人次第ですが、もっと伸びると思う」
スケートボードでは、コース取りやトリックの順番、種類もすべて自由。同じトリックでも、スピードがあれば繰り出す技や流れにシャープさが出てくる。もともと持っているスピードは武器なのだ。
草木は「(技の)完成度は確実に上がっていると思います。今までできていなかったリップトリックが結構使えるようになってきました」と充実感をにじませる。「縁」への恐怖は徐々に薄れつつある。
アスリートは自分を追い込むことも重要だ。きっかけがコーチだったとしても、自分の壁を越えたいという思いがふつふつと湧き上がっている。
「(コーチの)滑りを見ていると、ラインの作り方がすごくうまい。そこのパークに合った滑りができる方なので、そういうのも教えてもらいながらやりたい」と草木。21年の東京五輪は「仲良しの子のときだけであとは観てなかった」と照れくさそうに明かす。無邪気な新星から目が離せない。(ジャーナリスト・島沢優子)
※AERA 2024年6月3日号