「市場の評価も高く、決算発表後に株価はすでに上昇していますが、AI半導体関連の事業はこれから大きな成長が期待できます。新NISAで買っておいてもいいのでは」(田代さん)

 将来にわたって活躍が見込まれる技術を持つ銘柄として、日立造船も注目という。同社は水素とCO2からメタンを合成する「メタネーション」と呼ぶ技術の開発に取り組んでいる。

 メタンは都市ガスの主成分でもある。水素とCO2から作る合成メタンは、原料に工場などから回収したCO2を使えば、燃やしてもCO2排出量は実質的にゼロとみなすことができる。

合成メタンに置き換える目標

 田代さんはこう言う。

「実用化はまだ先ですが、政府は2030年に都市ガス供給量の1%(年28万トン)、50年に90%(同2500万トン)を合成メタンに置き換える目標を掲げています。日立造船はこの分野で先行しています」

 成長性という点では、グロース株にも目を向けておきたい。その一つが、パーキンソン病専門の福祉施設を運営するサンウェルズ(石川県金沢市)。

 パーキンソン病は神経細胞の減少により手足が震えたり、体がこわばったりする難病だ。全国に二十数万人の患者がいるとされ、高齢化で患者の増加が見込まれている。治療を行ったり、リハビリを続けながら生活したりするには周囲の理解やサポートも必要だ。

「施設ではパーキンソン病に特化したリハビリや専門医による訪問診療を受けたりできます。患者のニーズは高く、地元・石川県だけでなく関東や関西圏など拠点網も拡大中です」

 グロース株は大企業に比べて株価が安く放置されているところも少なくない。調整局面にある時こそ、発掘のチャンスかもしれない。

(AERA dot. 編集部・池田正史)

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