例えば、為替相場が当初の想定よりも円安に進んだ場合、輸出関連など円安が追い風となる企業は、業績予想を上方修正することとなる。

 このため25年3月期も、これから為替相場の方向性がはっきりと見えてくれば、売上高や利益の見通しを引き上げる企業が増える可能性があるとみている。

節目の一つが中間決算

 株式を取引するうえで注目したいのは、この修正がいつ起きるかだ。田代さんは言う。

「一般的に、第1四半期決算の発表時点では早すぎるでしょう。節目の一つが中間決算(第2四半期決算)発表のタイミングです。3月期決算企業は10月下旬から11月半ばにあたります。ここで業績見通しの修正が相次げば、株価の上昇も期待できます」(田代さん)

 理論的に、株価はその割安度合いを示す投資指標「株価収益率」(PER=株価÷1株あたり利益)と、「1株あたり純利益」(EPS=最終利益÷発行済み株式数)との掛け算に分解できる。

 つまり利益の上方修正でEPSの値が上昇すれば、株価も値上がりすることを意味する。

 日経平均株価は2月の高値4万円台をつけた後はいったん値下がりし、今は3万8千円台の水準で推移する。田代さんは、この秋にも本格的な上昇局面入りする可能性は高いとにらむ。

「日経平均が『もみ合い』を続けているのは、為替市場を左右する日米の金融政策や米大統領選といった株式市場を左右する大きな動きの先行きが見通せないこともあります。でも、どちらも大統領選が予定される11月頃には方向性が出ている可能性が高い。ちょうど中間決算が発表されるタイミングと一緒です。ある程度の円安が前提になりますが、株価も業績見通しの上方修正を踏まえて上昇に向かうでしょう」

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修正が期待できるのは1ドル=145円前後