<ライブレポート>LUNA SEA、35周年ツアー第1弾が開幕 『SHINE』『LUNACY』のツアー再現で新たなる境地へ
この記事の写真をすべて見る

 2024年に結成35周年を迎えたLUNA SEA。その周年を記念した全国ツアー第1弾【LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA -EPISODE 1-】が5月25日~26日の神奈川公演でスタートした。昨年開催された【LUNA SEA DUAL ARENA TOUR 2023】では『MOTHER』(1994年)と『STYLE』(1996年)という2作のリリース・ツアーを改めた再演した彼ら。今回のツアーではさらに、新たに『SHINE』(1998年)と『LUNACY』(2000年)を再演する日程も組み込まれている。

 『SHINE』のリリースツアー【SHINING BRIGHTLY】の名を冠した初日の5月25日はSLAVE(LUNA SEAファンの総称)限定公演として開催された。時計の針の音が鳴り響くと、アルバムの1曲目である「Time Has Come」でドラマチックにライブがスタートする。『SHINE』の収録曲はそのタイトルの通り、“光”を感じる世界観の楽曲も多いが、初っ端からその光がステージから放たれる。そこから、1998年のセットリストと同様に「Dejavu」へと繋げていく。ファンが抱いていたツアー初日への期待感も相まって、冒頭ブロックから会場のエネルギーは最高潮だ。

 「35周年ツアー、みんな会いたかったぜ!いくぞ相模原!」とRYUICHI(Vo)が煽ると、始まったのはJ(Ba)とのツインボーカルが光る「Unlikelihood」。Jの奏でる骨太なベースがとにかく心地よい。そして、幻想的なスローチューン「VELVET」(1998年以来)、美しく疾走するクールな「MILLENIUM」(2000年以来)と共に久しく披露されていなかった楽曲が繰り出されていくと、会場の熱陽は更に上がっていく。

 MCでRYUICHIは戦争の絶えない昨今の世界情勢に触れ、「世界に俺たちの想いを投げかけてみたいと思います」と語ると、ステージは赤く照らされ、グルーヴィーな「NO PAIN」へ。重厚なサウンドに会場全体が身も心も揺れる。SUGIZO(Gt/Vn)がヴァイオリンで牽引する中世的な「Providence」を経て、こちらも1999年以来の披露となる壮大な長尺曲「ANOTHER」でライブの前半は締めくくられた。

 後半戦はド迫力の真矢のドラムソロ、Jのベースソロからスピーディーな「FATE」へと流れ込むパワフルな幕開けとなった。「BREATHE」でSUGIZOとINORANが奏でる美しいアコースティック・ギターの旋律に酔いしれたあと、怒涛の最終ブロックに突入する。「BELIEVE」、「ROSIER」と定番曲を惜しげもなく連発し、会場のボルテージは最高潮に。最後に『SHINE』を代表する名シングル「STORM」で本編は終了となった。

 SLAVE達による「Happy Birthday LUNA SEA」のコールから始まった初日のアンコールは、当時『紅白歌合戦』に出場した際に披露された曲でもある「I for You」でしっとりとスタートし、その後はアルバムの表題曲であり“光そのもの”といえる音像の「SHINE」などを披露。そして、最後のダブルアンコールには、RYUICHIが「始まりの曲」と評した「UP TO YOU」が選ばれた。未来へ向かう力強い余韻を残してツアー初日は終了となった。

 ツアー2日目は終幕前のラストアルバム『LUNACY』のリリースツアー【BRAND NEW CHAOS】がタイトルに。2000年頃の変わりゆく時代の中で、LUNA SEAが新たに挑戦する中で生み出した楽曲たちが詰まった内容となった。

 アルバム同様に明るい「Be Awake」で弾けるようにライブが始まると、その勢いのままヘヴィなグルーヴが秀逸な「Sweetest Coma Again」へと繋いでいく。血がたぎる、ロックのライブの魅力に溢れたオープニングだ。

 RYUICHIの煽りを経て、ダンサブルな「KISS」(2000年以来)をミラーボールが煌めく中で披露される。妖艶さとポップさが共存するクールな1曲だ。そして、その空気感を吹き飛ばすかのようにアグレッシヴな疾走曲「My Lover」(2000年以来)で愛を荒々しく響かせる。バンドは、そこからハードなサウンドに身体を揺らしたくなる「FEEL」に繋げていった。

 MCで「(今回のツアーを通して)皆と共に、過去の作品ではあるけど、未来を見つけて行きたい。皆と共に新しいシーンを作って行きたい。その想いでこの41公演、全国を走って行きたいと思います!」とRYUICHIが力強く宣言すると、Jのベースが牽引する名曲「gravity」へ。幻想的で浮遊感あるこのサウンドの美しさは簡単には言い表せない。続くミステリアスな「be gone」も2000年以来の披露。音の渦に飲み込まれるようなミステリアスな音像で会場を魅了したあと、莊嚴な空気感に会場を染めあげる大曲「VIRGIN MARY」で前半戦を終えた。

 ドラムソロ、ベースソロを経て2日目の後半は昨年の【THE BEST OF LUNA SEA】で久しぶりに披露された『INTO THE SUN』からスタート。こちらもドラマチックに展開していく壮大な名曲だ。その後も、スピーディーな「a Vision」、初期からの定番曲「TIME IS DEAD」で会場の熱量を上昇させていき、最後は『LUNACY』を代表するシングル「TONIGHT」で熱くステージを盛り上げた。

 アンコールでは、終幕前のラストシングルとなった「LOVE SONG」で感動的な大合唱を巻き起こしたあと、前日同様に撮影可能企画「#LUNAPIC」の対象曲に指定された「WISH」で会場は多幸感で満ちていった(この様子はSLAVE達がSNSに#LUNAPICで数々の写真を投稿しているので、ぜひチェックしてほしい)。オールラストのダブルアンコールは名バラード「CRAZY ABOUT YOU」で締めくくられた。

 EPISODE 1~3を合わせると【LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA】はバンドの歴史の中でも最大規模のツアーとなっている。メンバーもMCで(冗談交じりに)すでに満身創痍であることを語っていたが、彼らほどのキャリアを築いてきたバンドが身を削ってでもこのようなツアーに挑んでいるという事実。その姿勢に彼らのファンに対する誠実さが現れているだろう。41本のツアーを通してLUNA SEAは90年代のキャリアを網羅する。メンバーの故郷・神奈川からいよいよスタートしたこのツアーの先にどのような景色が待っているのか、楽しみで仕方ない。

Text:Haruki Saito
Photos:田辺佳子

◎公演情報
【LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA -EPISODE 1-】 ※終了分は割愛

2024年6月1日(土)宮城・仙台サンプラザホール
SHINING BRIGHTLY

2024年6月2日(日) 宮城・仙台サンプラザホール
BRAND NEW CHAOS

2024年6月7日(金)群馬・高崎芸術劇場 大劇場
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE

2024年6月9日(日)千葉・市川市文化会館 大ホール
UN ENDING STYLE

2024年6月14日(金)高知・高知県立県民文化ホール オレンジホール
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE

2024年6月16日(日)香川・レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
UN ENDING STYLE

2024年6月21日(金)滋賀・滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE

2024年6月22日(土)岐阜・長良川国際会議場 メインホール
UN ENDING STYLE

2024年6月29日(土)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
SHINING BRIGHTLY

2024年6月30日(日)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
BRAND NEW CHAOS

2024年7月6日(土)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
SHINING BRIGHTLY

2024年7月7日(日)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
BRAND NEW CHAOS

2024年7月13日(土)沖縄・沖縄コンベンションセンター 劇場
EPISODE 1 -FINAL- DAY1

2024年7月14日(日) 沖縄・沖縄コンベンションセンター 劇場
EPISODE 1 -FINAL- DAY2

【LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA -EPISODE 2-】

2024年7月27日(土)新潟・新潟県民会館
IMAGE or REAL

2024年7月28日(日)新潟・新潟県民会館
SEARCH FOR MY EDEN

2024年8月3日(土)石川・本多の森 北電ホール
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE

2024年8月4日(日)富山・オーバード・ホール 大ホール
UN ENDING STYLE

2024年8月10日(土)広島・上野学園ホール
IMAGE or REAL

2024年8月11日(日)広島・上野学園ホール
SEARCH FOR MY EDEN

2024年8月18日(日)大阪・フェスティバルホール
IMAGE or REAL

2024年8月19日(月)大阪・フェスティバルホール
SEARCH FOR MY EDEN

2024年8月24日(土)東京・東京ガーデンシアター
IMAGE or REAL

2024年8月25日(日)東京・東京ガーデンシアター
SEARCH FOR MY EDEN

2024年8月31日(土)北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
EPISODE 2 -FINAL- DAY1

2024年9月1日(日)北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
EPISODE 2 -FINAL- DAY2

【LUNA SEA 35th ANNIVERSARY TOUR 2024 ERA TO ERA -EPISODE 3-】

2024年9月14日(土)茨城・水戸市民会館 グロービスホール
LUNACY 黒服限定GIG

2024年9月16日(月・祝)山梨・YCC県民文化ホール (山梨県立県民文化ホール)
SHINING BRIGHTLY

2024年9月22日(日)愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
BRAND NEW CHAOS

2024年9月23日(月・祝)愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
LUNACY 黒服限定GIG

2024年10月4日(金)三重・三重県総合文化センター 大ホール
IMAGE or REAL

2024年10月6日(日)栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
SEARCH FOR MY EDEN

2024年10月11日(金)福島・いわき芸術文化交流館アリオス アルパイン大ホール
LUNACY 黒服限定GIG

2024年10月15日(火)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
SHINING BRIGHTLY

2024年10月16日(水)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
BRAND NEW CHAOS

2024年10月25日(金)岩手・さくらホールfeat.ツガワ 大ホール
MOTHER OF LOVE, MOTHER OF HATE

2024年10月26日(土)青森・リンクステーションホール青森
UN ENDING STYLE

2024年11月14日(木)神奈川・神奈川県民ホール 大ホール
EPISODE3 -FINAL- 黒服限定GIG DAY1

2024年11月15日(金)神奈川・神奈川県民ホール 大ホール
EPISODE3 -FINAL- 黒服限定GIG DAY2

暮らしとモノ班 for promotion
防犯・災害対策の準備はいかが?最大50%オフのAmazonの安全・セキュリティグッズ売れ筋ランキング