今くるよさん(左)と笑顔の今いくよさん=2014年12月 (c)朝日新聞社 @@写禁
今くるよさん(左)と笑顔の今いくよさん=2014年12月 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 お笑い芸人の今くるよさんが27日、膵がんのため、大阪市内の病院で亡くなったと、28日、所属の吉本興業より発表された。1970年に高校の同級生だった今いくよさんとともに女性漫才師の今喜多代さんに弟子入りし、73年にデビュー。それまで男性中心だった漫才界で、80年代の漫才ブームにのって人気となった。2015年5月28日に胃がんのため亡くなっており、訃報からちょうど9年で、くるよさんの訃報も伝えられる形となった。今くるよさんの相方・今いくよさんが亡くなったときの記事を振り返る。(「AERA dot.」2015年6月4日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)

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 人気漫才コンビ、今いくよ・くるよのいくよ(本名・里谷正子)さんが5月28日、胃がんのため亡くなった。67歳だった。

「看護師さんが『里谷正子さん』って聞くと『里谷正子28歳です』って答えて、看護師さんも思わずプッと笑いはって、漫才師やねえ。『ナイスギャグや』って言うたんですね、私。するとニカッとっていた」

 29日、いくよさんの通夜の後、そう話したのは、相方の今くるよさん(67)。2人は通っていた京都市内の高校の同級生で、ともにソフトボール部だった。卒業後は会社に勤めたが、くるよさんに誘われ、芸人の道に。1973年に初舞台を踏んだ。

 数少ない女性のコンビで苦労もあったが、80年代の漫才ブームに乗り人気者に。細身のいくよさんとふくよかなくるよさん。体格に合わせた、ユニークなファッションと関西のおばちゃんならではのテンポ抜群のしゃべくりで、上方漫才大賞や上方お笑い大賞など数々の栄誉に輝いた。女性漫才コンビのパイオニア、吉本興業の揺るぎない「金看板」としてトップスターとなった。

 2014年9月、いくよさんに胃がんが判明。手術はせず、抗がん剤治療を続けた。そして12月には舞台に復帰。今年5月11日まで、ずっと漫才を演じていた。

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