「株価も上がり世の中的に景気がいい? いや私の給料は上がらないんだけど?」と思っている人。賃金が上がらない理由を勝間和代さんがズバリ。
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(本記事は「AERA Money 2024春夏号」の勝間和代さん執筆による連載原稿です)
2024年から新NISAがはじまり、総額1800万円まで無期限・非課税で投資ができるようになりました。
日経平均株価もバブル期最高値を一時超え、ようやく世界の株高に追いついてきたところです。
株式市場が大きく上昇する一方で、私たちの生活はそれほど豊かになっていないと思います。賃金が上がった人は全体から見て少ないでしょう。
でも、食料品を筆頭に物価は高くなっています。生活が圧迫されているわけです。
景気がいいはずなのに、賃金が上がらないのはなぜなのでしょうか。
労働の価値が…
答えは簡単です。
「21世紀の現代では、私たちが労働で生み出す価値よりも、資本が生み出す価値のほうがずっと大きくなってしまったから」
今や労働というのは、コンピューターや人工知能あるいは機械化された生産設備の補完でしかありません。主な生産設備は資本のほうに移ってしまったのです。
そうなると、労働収入だけで身を立てようと思っても厳しくなります。収入は頭打ちになるか、悪くすれば下がる方向にいくでしょう。
そんな状況もおかまいなしに物価は上がっていきます。だからこそ「生活防衛」を考えなければなりません。
資本に投資しよう
生活防衛のために最もわかりやすく挑戦しやすい方法は、自分の収入の一定額を「資本」に投資し続けることです。
せっかく新NISAがはじまったのですから、利用しない手はありません。おすすめは全世界株式のインデックスに連動する投資信託に、毎月一定額をつみたて続けることです。誰にでもできます。最初は少額でも問題ありません。
極端な表現かもしれませんが、「これからの労働」は、私たちが資本(この連載でいえば全世界株式インデックス型投資信託)に投入するお金を稼ぐための手段でしかありません。
無駄遣いをしないように気をつけながら、残ったお金をなるべく資本に投入していかないと、21世紀の社会構造においては生き残っていけないということを自覚する必要があります。
年金だけでは厳しい
ここで年金の話をします。もともと年金というのは、私たちの労働収入の一部を投入する仕組みです。私たちのお給料からいくらかを国に預け、国は株式市場などに投資を行って、老後の生活に困らないようにしようという発想の制度です。