SBIアセットマネジメント社長の梅本賢一さん(撮影/朝日新聞出版写真映像部・上田泰世)
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 新NISAで人気上昇中なのが「年4回、分配金が出る投資信託」。分配金が出ないタイプのインデックス型ばかり注目されてきたこともあり、投資信託の分配金を理解できていない人も多い。本記事で基本から盲点までを明かす。

【図表2つ】「あなたの分配金はタコ配か?」が一発でわかる図はこちら!

 新NISAでは、毎月分配型の投資信託(以下、投信)が買えない。そんな中、「隔月分配」や「年4分配」の投信が増えている。

 この半年で話題になった投信といえば「SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」だ。

 2023年12月12日の設定以降、約1カ月で純資産総額が300億円を突破、4カ月後の4月12日時点で670億円超と快進撃が続く。

 厳選された高配当株30銘柄以上が入ったアクティブ型投信で、信託報酬は0.099%(年率、税込み/以下同)。

 運用はSBIアセットマネジメント。年4分配投信の品ぞろえは現在、10本だ。投資先は、日本、米国、欧州の高配当株や債券など。

 年4分配シリーズで一番新しいのは5月8日に設定された「SBI・J-REIT(分配)ファンド(年4回決算型)」で、こちらも信託報酬は0.099%である。

3本買って毎月分配

 10本を表にまとめたが、それぞれ分配月が微妙に違う。3本組み合わせると、毎月、ある程度の分配金がもらえる状態に。分配月別にまとめた表を本記事2ページ目に掲載したので参考にしてほしい。

「年4分配の投信は、分配金を生活費の足しにしたい高齢者だけでなく、若い投資家にも人気です」

 と語るのは、SBIアセットマネジメントの社長・梅本賢一さんだ。梅本さんは、自らが作った分配金の資料を見せてくれた。

それってタコ配?

 頻繁に分配金を支払う投信に対して、「投資したお金を払い戻しているだけ」と批判する人がいる。

 タコが自分の足を食べることになぞらえて「タコ足配当」と揶揄(やゆ)気味に呼ぶことも。梅本さん、年4分配は「タコ配」ですか?

「『人によって違います』が答えです。投信には『個別元本』という考え方があります。その方が基準価額いくらでその投信を買ったかにより、同じ金額の分配金を受け取っても呼び名が変わるのです」

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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安住拓哉

安住拓哉

出版社勤務を経て2021年に独立。経済関連記事全般が得意。取材・執筆歴20年以上。雑誌の取材記事の他、単行本のライティングも数多く手掛ける。

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「タコ配」になるのは、どんなとき?