それと、ここまでやってこられたのは、やっぱり周りの人々のおかげです。周囲への感謝も湧いてきて、引き算の人生の中で、「本当に俺でいいの? 俺でよかったらやりますよ」という気持ちがあります。

 今は役者や歌手だけでなく、ナレーションや番組のMCなどの仕事もあるので、自分を「表現者」だと思ってチャレンジしています。ただ、活動する中で一番気が楽なのは、役者と歌手。それを今までやってこられたのは、自分が一番誇れるところです。

 デビューして48年。今後の目標とは何だろうか。

 気がつくともう半世紀だなんて、びっくりです。でも、今回の「シンフォニックライブ」のように、まだ経験してないことや知らないことがいっぱいあります。新しい経験をさせてもらうのはすごく楽しいことです。

 デビューしてから毎年全国コンサートを行ってきました。1500回を超えました。これからも続けていけたら。もう一つ、あと1回くらい外国映画に出たいです。今までに「アメリカンパスタイム 俺たちの星条旗」(2007年)と「終戦のエンペラー」(13年)という2本の米映画に出演したんですが、これがすごく楽しかったんですよ。

「終戦のエンペラー」はすごい長ぜりふでね。英語ですから大変でしたけど、大変だから学生に戻ったみたいにものすごく一生懸命覚えるんです。実は一昨年、配信のドラマでNYへ行く予定でしたが、コロナでなくなってしまって大変残念でした。チャンスがあれば、またぜひ挑戦したいと思っています。(敬称略)

(ライター・坂口さゆり)

週刊朝日  2022年10月14・21日合併号

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