尼神インターの誠子(写真:つのだよしお/アフロ)

あえて恵まれた環境を出る

 ならば、余計になぜ辞めなければならなかったのか。何も不満はないが辞める。パッと聞くと「?」という思いにもなります。ただ、いろいろな方に話を聞いていくと「そういう世界があるんだな」という理解を得ることにもなりました。

 3月末でコンビ「尼神インター」を解散し、所属していた吉本興業を出た誠子さんに拙連載でお話をうかがった際にも同じようなことをおっしゃっていました。

「吉本興業に何の不満もありません。むしろ、高校を出てからずっとお世話になってきて感謝しかない。これからも、ピンになって吉本でやっていくのが正解なのかもしれませんけど、あえて恵まれたこれまでの環境を出る。そこで自分に何ができるのか。それをやってみたくなったんです」

 キンタロー。さんが松竹芸能を退所する際にも取材を重ねましたが、30歳という遅いデビューだったキンタロー。さんを1年ほどで人気者にしてくれた。ご本人には事務所に対して感謝しかない。二人のお子さんと一緒にいる時間を大切にしたい思いと、自分自身で何ができるのか。それをいま一度ゼロから試してみたいという思いを聞きました。

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かつて退所にはキナくさいイメージも