遺族が学校側を提訴した大阪地裁

 16日、2月にあった早稲田大学創造理工学部の一般入試で、カメラ付きの眼鏡型電子機器「スマートグラス」で撮影した試験問題を試験中にXに流出させたとして、警視庁戸塚署は偽計業務妨害の疑いで、都内の男子受験生(18)を書類送検した。過去に配信された記事から、巧妙化するカンニングとぬぐい切れない大学進学を望む学歴意識を考える。(「AERA dot.」2024年4月12日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)

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 大阪市の私立清風高校で2021年、当時2年生の男子生徒が試験でカンニングをした後に自殺したのは、学校側の行き過ぎた指導が原因だったとして、今月8日、遺族が学校側に約1億円の賠償を求めて大阪地裁に提訴した。報道によると、残された遺書には「ひきょう者と思われながら生きていく方が怖くなってきました」と記されていたという。清風高校は、受験系サイトで偏差値68という「超進学校」。同校ではカンニングに対してかなり厳しい指導があったとされる。

 朝日新聞報道によると、遺族は次のように訴えているという。清風高校の2年生だった男子生徒は2021年、期末試験でカンニングをしたことが試験監督にばれ、別室で事情を聞かれた。その際に教師から「カンニングはひきょう者がすることだ」などと厳しく叱責されたうえに、「全科目0点」「自宅謹慎8日」「写経80巻」「反省文作成」などの処分を受けたという。その2日後、生徒は自宅近くで死亡しているのが見つかった。訴状で遺族は教師らの「ひきょう者」という言葉が死のきっかけになったとしたうえで、「大量の課題で冷静な判断能力を失わせて自死させた」として、学校側の安全配慮義務違反を主張している。

 清風高校は仏教系の私学で、校則が厳しいことで知られる。頭髪の裾と耳元を刈り上げる「清風カット」を生徒に強制したり、違反した場合にハサミで切ったりする指導が「人権侵害に当たる」として、昨年3月に大阪弁護士会が改善を勧告したこともある。

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「カンニングしたから推薦は対象外だ」