47歳で再婚。報道陣から「お子さんは?」の質問
47歳の時、同い年の小田井涼平と再婚しました。報道陣からは「結婚おめでとうございます」と言われ、その次に「お子さんは?」という質問が飛び交いました。47歳の女性に、その質問を何のためらいもなく聞く男性記者を目の当たりにした時、「それはアウトでしょ」と心の中で思いました。
それでも、自身の“姉御肌”のキャラクターを演じ、夏だったら、「コウノトリが、バテてしまって」とか、クリスマスが近かったら「サンタさんが、ちょっと事故にあっちゃったみたいで〜」とか、あえてボケて、受け流していました。
それ以外にも、「それ、セクハラ、パワハラですよね」と思う言葉を公私で言われたことは一度や二度ではありません。その時のシチュエーションや心境は、今でもはっきりと覚えています。その際には感情を露わにせずに、対応したのは本当にえらかったと自分でも思っています。
子どもは元々好きですし、何より愛する夫との子どもが欲しくて不妊治療をしましたが、授かりませんでした。
夫は当時、ムード歌謡グループ「純烈」のメンバーとして多忙を極めていました。そんな彼に「妊娠中、LiLiCoがつわりなどで苦しみ、吐いたり、叫んだり、眠れなかったりする姿を一つも見られないし、そばにいてあげられない。立ち会い出産もできないと思う」と言われたことで、納得して子どもを諦めることがでました。
「母になることが全てではない」
日本ではここ10年で、抱っこ紐で赤ちゃんを抱いたり、子どもを連れていたりする男性をよく見かけるようになりました。子育ての支援制度も広がり、良い変化を感じています。その上で大前提としてあるのは、結婚することはもちろん、母になることが全てではないということです。自分と異なる立場や意見があることを知り、相手への想像を豊かにしてほしいと願っています。
例えば、子どもがない女性がいたとして、もしかしたら子どもが欲しくてもできなかったり、何か理由があって子どもを持たない選択をしていたりするのかもしれないと考えてみる。相手と自分の価値観や考え方が違っていたとしても、「そういう風に考えるんだ」と知る。その考えに共感はできしなくても、認める。それが本当の意味で多様性を尊重する考え方だと思うので、社会全体でもっと重要視されてほしいと思っています。