子どもがいないからこそ
私たち夫婦は子育てにかかる費用はゼロなので、自分が稼いだお金を自由に使えます。今ちょうど動き出したプロジェクトが、発展途上国の子どもたちが通える学校を現地で作ること。10年ほど前から、コンゴとウガンダの子どもたちの支援している中で、勉強がしたくてもその機会や場所がない子どもの存在を身近に感じるようになりました。特に女の子は、望まない結婚をさせられることが日常的です。そんな少女たちが知識と教養を得られる場所を作りたいと思っています。
私1人の力では、女性の地位や立場を上げることは難しいかもしれません。それでも、自分ができることをしていきたいと思っています。
来日して35年が経つ今、テレビや雑誌、ラジオでの活動を見聞きしてくれた人から、「LiLiCoさんの話を聞いて勇気が出ました」という手紙をもらうこともあります。街中でも同様に声をかけてもらったり、友人からもそう言われたり。包み隠さず、自分の経験を話すことが、誰かの背中を押すことにつながっていることを感じています。
40年前、厳しい母との暮らしの中でもがき苦しんでいた自分に、「将来、めちゃくちゃ陽気なおばさんになるよ、LiLiCoから元気もらっているって言われる存在になっているよ!」って言ってあげたいですね。
(構成 フリーランス記者 小野ヒデコ)
※AERAオンライン限定記事