テレビでのコメンテーターやラジオナビゲーターなど、多方面で活動しているLiLiCoさん=本人提供

 国が子育て支援策を推し進め、ワーママが増える昨今。産まなかった女性たちは何を思うのか。映画コメンテーターのLiLiCoさん(53)にお話を伺いました。AERA5月13日号に掲載したインタビューの全編を公開します。

【写真】スウェーデンで再会したLiLiCoさんと父はこちら

高学歴で社会的地位のある母の下で

 幼少期、子どもは母親の影響を大きく受けると思います。高学歴だった私の母は、当時女性では珍しかった機械設計士として社会的地位を得ていました。2人の子どもにも恵まれ、スウェーデンの首都ストックホルムの一等地にある家に住んでいて、周囲からは何不自由なく暮らしているように思われている人でした。

 でも、母自身はハッピーではありませんでした。生きているのが楽しくなく、自殺未遂もしたことがあります。そんな母を見ていたから、私は10歳の頃から「私は新しい命を生み出しちゃいけない」と思っていました。いま振り返っても、早熟な子だったと思います。

 私には9歳離れた弟がいます。弟が生まれてまもなく、父は家を出ていってしまいました。母は働かないといけないので、自ずと弟の面倒を見るのは私の役目に。弟は体が弱く、入退院を繰り返していたので、学校が終わったら弟を迎えに行ったり、家事をしたり。そのため、遊ぶことなどままならず、友達さえいませんでした。12歳の私は、“子育て”に疲れていたんです。弟は可愛いかったけど、私自身はボロボロ。私の人生は、どん底からのスタートでした。

今年4月、スウェーデンで父と再会したLiLiCoさん=本人提供

出産適齢期に「王様のブランチ」レギュラーに

 18歳で来日し、歌手としてデビューしました。でも全く売れず、20代では5年ほど車中生活を送るほど厳しい生活を送りました。

 最初の結婚は、30歳の時。相手は、一般の日本人男性です。結婚の2カ月後、毎週土曜放送のTBS系「王様のブランチ」に、映画のコメンテーターとしてレギュラー出演が決まりました。これまで何度も辛酸を嘗める思いをしてきた中で、テレビ局の門をくぐれた時の心情といったら……。この大チャンスを絶対に逃さないと決意しました。

 ちょうど出産適齢期。子どものことを考えなかったわけではありません。でも、長い下積みの末、やっとチャンスが舞い込んできたこともあり、自ずと子どものことは後回しになりました。もし妊娠したとしても、週一回の番組収録に穴を開けないために、出産後数日で復帰するつもりいたほどです。「大きな仕事のオファーが来た時、子どもを足かせに感じてしまうかも」とも考え、子どもを持つことに踏み切れずにいました。

 仕事が軌道に乗っている時だったら、仕事よりも子どもを選んだかもしれません。でも、「やり直せたなら」とは思いません。生まれ持った容姿や過去を含めて、変えられないことを嘆く時間がもったないですから。

 結局、6年間の結婚生活を経て、離婚しました。一方、仕事の方は、その後どんどん依頼が増えていきました。

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47歳で再婚。記者から「お子さんは?」の質問