
■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
子育て中の記者2人が人気映画を生み出して業界の寵児になった男のセクハラを暴き、#MeToo運動が始まる。権力に怯える被害者女性たちの証言を集める地道な努力、部下たちを信頼して支える新聞社の上司も素晴らしい。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★★
忍耐強く外堀を埋めていく調査報道記者たちと苦しみながら重い口を開く女性たち。フェイクが蔓延する時代に、真実を追求する一本の記事が作り上げられていく過程を、リアルかつ克明に描こうとする姿勢に心を動かされる。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
この作品は三つの意見に分かれます。男の視点、すぐにセクハラと訴える女性の視点、こういう話がずっと昔からあることを知っている視点。あってはいけない。当たり前です。アシュレイ・ジャッド本人が出てくる意味は深い。
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★★
現在進行形の#MeToo運動がどれだけ苦難の過程であるかが伝わってくる。勇気を出して真実を伝えると嫌がらせを受ける現実と、旧態依然の社会構造。「スポットライト」が先にあり既視感はあるかもしれないが必見。
(構成/長沢明[+code])
※週刊朝日 2023年1月20日号