上司の行為は時代に逆行
また、強制参加させられた部下がうつ病などを患った場合、会社は従業員への安全配慮義務を怠ったとして、損害賠償の責任を負う可能性が高くなるという。
村松弁護士によると、近年は、情報通信技術が発達したことによって、労働時間外に業務連絡をしてしまうことが問題になっているという。つながりやすい便利な社会の“負の側面”とも言える。
「ここ最近『私生活と労働の峻別への配慮が必要』という考え方が強まってきています。その事実を考えると、今回の上司の行為はかなり時代に逆行していると感じます。労働者の生活時間の確保の重要性を、会社や上司は再認識すべきだと思います」(村松弁護士)
従業員の業務時間と生活時間の区別をないがしろにしている管理職は少なくないだろう。何よりも、犠牲者が出てからでは遅いのだ。
(國府田英之)