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今日(6日)、北海道の根室で桜(チシマザクラ)の開花が観測されました。昨年より3日遅く、平年より10日早い開花となりました。なお、根室での桜の観測は、2010年(平成22年)10月に根室測候所が無人化となったことから、2011年(平成23年)より根室市・根室観光協会が引き継いで観測を行っています。今日の根室の開花をもって日本気象協会で桜の開花を発表しているすべての地点で開花したことになりました。

統計開始以来2番目に早い開花の観測

3月の北海道は、下旬は高気圧に覆われて晴れた日が多くなって南から暖かい空気が入りやすくなり、気温は平年より高くなりました。4月も高気圧に覆われて晴れた日が多く、中旬からは最高気温が20度を超える日も目立つようになりました。4月の北海道の平均気温は平年より3.0度も高く、1946年の統計開始以来最も高くなりました。この暖かさの影響もあって桜の花芽は順調に生長したと考えられ、今年は道内各地で平年より10日前後も早い開花となりました。

先日3日(金)には、釧路で桜(エゾヤマザクラ)の開花観測の便りがあり、気象庁が桜の開花を観測している全国の気象台や測候所では今年一番最後の開花となりました。

根室でも5月に入り、2日(木)と3日(金)には南から暖かい空気が入った影響で日中の最高気温が15度を超え、平年より5度ほど高くなりました。この陽気に誘われ桜も一気につぼみがほころび、今日(6日)での開花となりました。1960年からの観測史上、根室では2番目に早い開花です(2011年から根室市観光協会による観測)。

チシマザクラの特徴

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根室の標本木は、桜の観測としては全国で唯一のチシマザクラです。チシマザクラは北方領土由来の種で、1869年(明治2年)国後島から根室に持ち込まれたといいます。30年ほどの年月を経て根室の地にすっかりと根づき、当時は「クナシリザクラ」とも呼ばれていたそうです。

チシマザクラの特徴は背が低いこと。ソメイヨシノなど他の品種と違って、1本の幹が上に伸びるのではなく、根元から枝が分かれて伸びるため、背が高くなりません。そのためチシマザクラは木の下でお花見とはいきませんが、そのかわり人の目の高さでも間近に花を見ることができます。

北方で咲くサクラだけあって寒さに強く、丈夫で力強さも感じられるチシマザクラ。道東ではこれから春本番を迎えそうです。