田村耕太郎『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)
田村耕太郎『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』(朝日新聞出版)>>本の詳細はこちら

「自信オーラ」でアホ避けを

 アホは基本的に小さな人間である。自分より立場の弱い相手、自信がなくびくびくしている人間を嗅ぎつけて攻撃するのだ。彼らは敏感である。攻撃対象を選ぶ場合、「自信オーラ」で判断する。「自信なさそう」な人間ほど安心して攻撃してくるのだ。「自信があるオーラ」を出している人間は面倒である。「世間知らずの根拠のない自信」も百戦錬磨のアホには、それを打ち砕ける自信はあるので、純粋まっすぐな経験に裏打ちされていない自信家君も狙われる。

 アホが怖いのはアホの攻撃を含めて人生の辛酸を嘗(な)め切ってそれを乗り越えてきたようなオーラである。これは静かなオーラである。苦労する人生を送り、アホにもいたぶられたが、経験をコツコツと重ねて、自分を成長させ、困難を乗り越えてきたようなオーラこそアホを震撼させるのだ。

 自信オーラを身につけるには、漫然と生きてはいけない。何のために今何をしているのか、その意義は何なのかをしっかりと考え、死ぬときに最高の思い出を持っていけるように逆算して人生を送らなければならない。

 この心の持ちようができれば、一見どんなに大変な環境に置かれようが、コツコツとした行動の積み重ねで、水滴が岩を砕くように、たいていのことは乗り越えられる。こうした行為の積み重ねこそが、アホがおそれおののくような自信につながる。

 アホを「揺るがない自信オーラ」で撃退するのはあくまでおまけのようなものだ。死ぬときに後悔しないように人生を大事に生きることが、自信につながり、その結果としてアホを撃退できる。その過程でアホなどどうでもよくなっていく。ふとした瞬間に「ああ、そういえばアホを撃退していたなあ」と思いだす程度のことである。

 自分の人生の目的に向かってコツコツと努力を続けてきた自信からくるオーラがアホに対する最大の武器となる。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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