おぼん・こぼんの2人(撮影/上田耕司)
おぼん・こぼんの2人(撮影/上田耕司)

 次に脚光を浴びたのは、「お笑いスター誕生!!」(日本テレビ系)に出演し、10週勝ち抜いてグランプリを授賞したとき。2人はすでに31歳になっていた。その頃は、お笑い番組「THE MANZAI」や「花王名人劇場」がスタートし、漫才ブームが本格化していった時代でもあった。

 当時、テレビ番組でビートたけしとも共演した。

「たけしさんは楽屋では寡黙であまりしゃべらなかったけど、忙しすぎて寝不足だったんだろうね。外では草野球をやったりね」(おぼん)

 そんなおぼん・こぼんは、最近、「不仲コンビ」として再び注目された。10年ほど前からお互いに口もきかず、楽屋も別々で、打ち合わせもせずに舞台に上がっていた。

 昨年10月に放送された「水曜日のダウンタウン」(TBS系)での仲直りドキュメントが反響を呼び、月間ギャラクシー賞を授賞。番組では、こぼんの娘でタレントの泉水いづみの結婚式におぼんが現れ、新婦の父であるこぼんとがっちり仲直りの握手をするシーンもあった。

 その後、2人の仲はどうなっているのか。記者が「コンビ仲は普通にいいように見えますね」と振ると、2人そろって「そんなもんですよ」とニヤリ。

 山あり谷ありで歩んできた2人の芸人人生。おぼんはこう言う。

「自分が一番面白いと思っていることをやってきた。そう信じていないと芸人なんてやっていけない。娘たちにも『パパはやっぱり自分が一番好きなんだね』とよく言われますもん(笑)」

 その横でこぼんは、

「僕はそこまで強烈ではないかなあ。自分のことは信じていない。まわりを見ながら生きるタイプかもね」

 と語る。

 こうも対照的な2人だからこそ、そこに笑いが生まれるのかもしれない。2人は今日もステージに立ち続けている。(AERAdot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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