音楽でしか得られない幸福感や達成感についても語ってくれた(撮影/写真映像部・高野風菜 hair & make up chim styling Samu Kashiwagi costume AKIKO AOKI)

「ライブをやっているときと、新しい何かを見つけたとき。例えば、初めてご一緒した方と制作をしたり、ステージに立ったりして、刺激を受けたときは、すごく楽しいと感じます」

 自身の初の試みとして、今年2月から3カ月連続での配信リリースを始めた。

「これまで、リリースのスパンが長めになっていたことと、ライブで新しい曲を育てていきたいと思ったことが理由です。

痣も瘡蓋も私の一部

 私は時間があると先延ばしにしてしまうタイプなので、3カ月連続でリリースすると決めてみました。第2弾の『ブルースター』では、初めてアニメ(『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』)のエンディング主題歌を担当させてもらいました。曲を作るうえで、まず作品に寄り添うことを大切にしました。物語を自分自身に置き換えて考えて、自分に価値がないと思っていたところから、誰かとの出会いによって、自己肯定力が上がっていくことが伝わればいいなと思いました」

 特に「自分の本音が出ている」という歌詞が、2番の「痣も瘡蓋も私の一部だって 今はそう言える気がするの」というフレーズだ。

「弱った分だけ、傷ついた分だけ、強くなったり視点が増えたりする。折れなかったら見えなかったものや生まれなかった感情がきっとたくさんあると思っています。そういう痣も瘡蓋も、自分にとっては大切な一部。私はソロになる前から、自分の精神的な弱さと向き合いながら、歩んできました。それによって、大抵の壁ではへこたれずに冷静でいられるようになったと思っています。

 活動休止したことでも、ちょっとした悩みをポジティブに捉えられるようになった。元気な状態で『書きたい』とか『歌いたい』という意欲さえあればなんでもできる。『あとは自分次第だな』とシンプルに考えるようになったんです」

 そう話す表情は、しなやかだった。

(構成/ライター・小松香里)

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