伊勢神宮内宮に参拝する天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2024年3月26日、三重県伊勢市 代表撮影

 西出氏が愛子さまの笑顔は、「本物の笑顔」だったと話す。

「私の著書にも記したことがあるのですが、本物の笑顔と作り笑顔は本当に違っていて、“本物の笑顔=デュシェンヌ・スマイル”として研究もされていて、論文もあります。

 作り笑顔は口角は上がっている。一方でデュシェンヌ・スマイルは口角が上がっていて、目じりにシワがよるように目の周りの筋肉も動いているとのこと。実験では、後者の方が、喜びを感じる割合が高いという結果もあります。目が微笑んでいるという本物の笑顔は、心からの喜び、すなわち内面からくるものと考えられます」

愛子さまを見たいという気持ち

 愛子さまが乗り換えた名古屋駅や鳥羽駅などだけでなく、今回の訪問では行く先々にたくさんの人たちが愛子さまを見たいと集まっていた。そこにも「愛子さまの笑顔が関係している」と西出氏は指摘する。

「今回の訪問先での歓迎ぶりもそうですが、いま愛子さまが皆さんから称賛され関心を集めているのは、心からの笑顔を私たちに向けてくださるからではないでしょうか。愛子さまの笑顔は、無理をして笑顔にしようなどの様子は全く感じられず、自然で、何の引っ掛かりも感じられません。

 いつもお伝えしております通り、マナーとは、相手の立場に立つことです。笑顔を見ることで人の心は癒されたり、明るくなれたりします。笑顔は相手、周囲へプラスの影響を与えることが多いものです。

 今回愛子さまは初めておひとりで地方へ出向かれたわけですが、本来であれば緊張の面持ちであるのかと思いきや、終始笑顔でした。

 そこには、礼節も保ちつつも、自分自身も“初めてのことを楽しもう”というお気持ちもあったのではと私は思います。いい意味で現代の若者らしさも感じられました」

 西出氏はもう一つ、今回の訪問で素晴らしかったことがあるという。それは「姿勢」だ。

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