新NISA(少額投資非課税制度)がスタートして3カ月が過ぎた。過去に配信した新NISAに関する記事のなかで特に読まれたものを再配信する。(2024年1月14日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)
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いよいよスタートした新NISA(少額投資非課税制度)。投資家の関心が高いのは、安定した配当収入が期待できる「高配当株」だ。特に「連続増配」を続けている企業は、これからも増配や配当を続ける公算が高い。
新NISAは年最大360万円、生涯で最大1800万年まで、株式や投資信託の運用によって得られた利益に税金がかからない。非課税になる期間は無期限になり、税金がかからない投資枠も大幅に増えた。
このうち、個別株式への投資は「成長投資枠」を通じて年最大240万円、生涯で最大1200万円までが非課税になる。
高配当株が注目されているのは、安定した収入が見込めることが大きい。配当は企業が稼いだ利益の中から一定の割合を株主に配分する。株価の先行きを見通すのは難しいため、値上がり益がどのくらい得られるのか計算しにくい。
これに対し、毎年一定の配当が得られれば、比較的安定した収入が期待できる。仮に株価が下がった場合の損失をやわらげることもできる。
企業は株主への還元姿勢を強めており、配当を狙った投資には追い風だ。
東京証券取引所は昨年春に「株価純資産倍率(PBR)」と呼ぶ指標が低い企業に対して改善を求めた。PBRは株価を1株あたり純資産で割った指標で、株価で表される企業の価値が、手持ちの資産に比べてどのくらい評価されているかを示す。この値を引き上げるには、成長への期待を高めて株価を上げるほか、自社株買いや増配によって純資産を減らす取り組みが必要になる。