ヘンリー王子の「不満」

 チャールズ国王(75)の声明がすぐに発表された。「私の愛する義理の娘のがんを公表する勇気を誇りに思う」との愛情あふれる一文だった。同時に国民はウィリアム皇太子を心配した。15歳で母ダイアナ妃を失った。たった一人の兄弟であるヘンリー王子(39)はメーガンさん(42)と共に王室離脱して、誇張と虚偽を交えた暴露本やインタビューで王室批判を繰り返した。

 皇太子にとって、敬愛する祖母エリザベス女王を1年半前に亡くし、父はがんの治療中だ。そして今、最愛の妻のがんが発覚した。孤独なのではないか──国民からは、「妃が座ったベンチに皇太子もいてほしかった」との声もあった。

 ヘンリー王子の動向にも注目が集まる。メーガンさんと結婚前、王子はキャサリン妃を姉のように慕い、きわめて親しかった。妃の声明後に王子とメーガンさんは兄夫妻に連絡を入れたそうだ。「妃ががんを患っていることを事前に教えてもらえなかった」と不満を漏らしているという。

 ヘンリー夫妻は、「ケイトと家族の健康と癒やしを祈る」と発表したが、「しらじらしい」「(ケイトではなく)キャサリン妃と称号を付けるべきだ」などと批判された。

 シニアロイヤルが次々と病に倒れ、王室は今、ダイアナ妃事故死以来の危機にある。しかし「必ず王室はサバイブする」と、国民は祈るような気持ちで国王とキャサリン妃の回復を祈っている。

(ジャーナリスト・多賀幹子)

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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