2011年3月11日、東日本大震災が起きた。実家も、被災した。1週間余り後に帰郷して四倉港へいくと、漁船が何隻も陸に打ち上げられ、漁網が散乱している。「故郷は壊れてしまった」と思った。その寂しさから、エンターテインメントで被災地の人々の「心の復興」に寄与したい、と考えたのが、PITの創設だ。

 PITは「Power Into Tohoku!」(東北に力を)の頭文字。いわき市をはじめ仙台市、岩手県釜石市にシアター「PIT」を開き、それらの収支を支えるため、東京・豊洲に大きなPITを先行開設した。シアターのホールがあれば、東京から多様なコンテンツを持っていくことができる。地元企業などが引き継ぎ、「Power Into Tohoku!」から次の段階へと移った。

 では、『源流』は、どこへ向かうのか。すでに準備は始めている、と言う。映画、演劇、音楽、スポーツなどが好きでたまらない、楽しみながら観たい。そんな人たちを、どう喜ばせてくれるのか、楽しみだ。(ジャーナリスト・街風隆雄)

AERA 2024年4月1日号

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