大谷翔平選手と水原一平氏(左)=2024年3月18日午後7時25分、韓国・ソウルの高尺スカイドーム
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 大谷翔平選手の通訳、水原一平氏がメジャーリーグドジャースから解雇されたニュースは、全米でもスポーツ枠を超えてトップニュースの扱いで大手メディアが報じているようだ。水原氏の通訳能力は「秀逸だった」という米国在住40年以上のジャーナリストが、現地での報道などを紹介する。

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 3月21日、アメリカの3大ネットワークの一つABCは、朝の人気情報番組「グッドモーニング・アメリカ」の中で、3分間を超える長さを費やして今回の衝撃的なニュースを報道した。その内容をざっと要約すると以下のようになる。

「メジャーリーグで最も高額の契約を手にした大谷翔平の通訳、水原一平が違法のギャンブルで何百万ドルもの負債をつくり、ドジャースから解雇されたことがわかりました。野球シーズンがスタートをきったばかりの現在、このニュースはスポーツ界全体を震撼(しんかん)させています」

50万ドルの送金が2回にわたり振り込まれ

 番組のキャスターは冒頭でそう紹介し、大きなニュースであることを伝えると、水原氏がドジャースを解雇された経緯について、 

「昨年史上初の7億ドルの契約を手にしたメジャーリーグのスーパースター大谷は、大きな打撃をくらうことになりました。彼の長年の友人で通訳の水原が、違法のギャンブルの負債の支払いのために大谷からおよそ400万~500万ドル(約6億~7億6千万円/日本時間の22日現在)を盗んだことが発覚し、ドジャースが水原を解雇したのです。水原はカリフォルニアの違法ブックメーカー(賭け屋)を通してスポーツ賭博に参加していたとされています」

「(スポーツ専門ネットワークの)ESPNの調査によると、昨年、ブックメーカーの口座に大谷の名前で50万ドルの送金が2回にわたって振り込まれていました。水原は『自分は野球で賭けをしたことは一度もなく、大谷は(水原氏の)ギャンブルによる負債も送金についても知らなかった』と主張しています。大谷の弁護士事務所は、野球界のスター大谷が多額の盗難の被害に遭い、当局に調査を依頼したと発表しました」 

 などと説明し、韓国で開幕したドジャース対パドレス戦での大谷やチームの様子についてもこう伝えた。 

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大谷選手のスポークスマンは前日の発言を撤回