越境EC上で、海外向けに売られていた追悼Tシャツ

 漫画家の鳥山明さんが死去したことが公表された3月8日、世界中のメディアがその訃報を報じ、SNSには世界中のファンたちが哀悼のメッセージを寄せた。

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 なかでも特に大きな反応を見せたのが中国だ。死去のニュースが中国でも報じられた直後、5億人のユーザー数を誇るウェイボ(中国版X)では、トレンドランキング1位に「鳥山明逝去」、2位には「アラレちゃん」がランクインし、「最も偉大な漫画家が去った」「シェンロンがいてくれたら……」などのコメントが寄せられた。一方、中国外交部が記者会見で公式に哀悼の意を表するなど、その異例の対応にも注目が集まった。

 アニメ「ドラゴンボール超」シリーズの配信を行っている中国の動画配信大手・iQIYIでは、再生回数が30億回を超えており、全122話の1話当たりの平均再生回数は約2500万回と桁違いだ。

「ドラゴンボールは『龍珠』という名前で知られていますが、初めて中国人の目に触れたのは1992年ごろだと言われています。同年台湾で翻訳版の漫画が販売されたのを機に、中国に流入したり、海賊版として流通したりしていきました。その後、2005年に中国少年児童出版社が集英社と契約を締結し、中国で漫画が正式に発売されるようになったのです。80年代~90年代生まれの当時の中国人の子どもたちは、昔話として見聞きしてきた『西遊記』が冒険漫画として生まれ変わったことに、大きな衝撃を受けました」(中国ウォッチャー)

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山重慶子

山重慶子

神奈川県生まれ。大学卒業後、中国・上海へ留学。現地でフリーペーパーの編集者となり、帰国後は主に中国や台湾関連の原稿執筆・コンテンツ制作を行っている。

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