ピン芸日本一決定戦「R-1グランプリ2024」が9日、生放送される。4時間を超す笑いの祭典で、審査員もそれなりの技量が求められるが、ハリウッドザコシショウもその一人。紆余曲折の芸人人生に迫った。(この記事は2022年7月27日に配信した内容の再配信です。肩書、情報等は当時)
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「R-1ぐらんぷり2016」優勝を皮切りに、松本人志発案のアマゾンプライムの人気番組「ドキュメンタル」では史上初の3度の優勝、今春からは自身初となる地上波冠番組もスタートするなど、売れっ子芸人の仲間入りを果たしたハリウッドザコシショウ(48、以下:ザコシショウ)。福山雅治をはじめ著名人を過剰にまねる「誇張モノマネ」、「ハンマーカンマー」と連呼する「古畑任三郎漫談」などの特異な芸で知られる。しかし、これまでの活動は決して順風満帆だったわけではない。コンビ解散を経て、ピン芸人になった当初は、舞台に立つことさえ恐怖に感じたこともあるという。ザコシショウがこれまで歩んだ芸人人生とは? AERA dot.のインタビューに応じた。
――「R-1ぐらんぷり2016」優勝は、芸人として転機になりましたか?
もちろんです。当たり前ですが、めちゃくちゃうれしかったです。ただ、正直に白状すると、優勝したことよりも、これでやっと所属事務所である「ソニー・ミュージックアーティスツ(以下:SMA)」の主催ライブから解放されることのほうが実はうれしかったんですよね(笑)。
SMAに所属する売れていない芸人は、事務所主催のライブに出演することが必須なんですが、あれに出演するのが、とにかく嫌で……。全然ウケない。ライブの人気投票で僕は1位を獲ったことが一度もないんです。僕はまったくファンサービスしないから、お客さんに相当嫌われていたんだと思います(笑)。
だから、「R-1」で優勝したとき、舞台袖にチーフマネジャーがいたんですが、真っ先に確認しましたから。「もう僕は出演しなくていいですよね?」って(笑)。マネジャーもさすがに許可してくれました。
「誇張モノマネ」は名刺代わり
――来月6日からは単独ライブツアーが始まります。ツアータイトルには「しょんべん」「尿道」「バアサンシュー」などの目を引くワードが並びます。過激な表現も飛び交うのがザコシショウさんのライブの魅力の一つです。
過激といえば過激ですけど、過激じゃないといえば過激じゃない。僕の中では別に普通な言葉ですよ。テレビなどのコンプライアンスが異常なだけ。
でも、最近はライブに来ている人の中にも、過激な発言を見つけたら、SNSなどですぐ拡散する人がいるから、昔よりはライブでも自由に発言しづらくなりました。公共の電波を使っているのならたたかれても仕方ないですけど、わざわざお金を払って、僕に何かを期待してくれるお客さんがいるライブの中での発言なので、そういうのはちょっと残念。それらも全てライブの醍醐味の一つと思って理解してくれるとありがたいんですけどね。今回のライブも新ネタばかりなので、来てくれる方はぜひ期待しててほしい。「誇張モノマネ」も新ネタをたっぷり作りましたし。1年分の「クレイジー」をお届けします。