
優勝争いと共に気になるのが、J2降格争いだ。昨季はJ1最下位に沈んだ横浜FCのみが自動降格したが、今年は下位の3チームがJ2に自動降格する。町田、磐田、東京Vと昇格組がJ1で十分に戦えることを示しており、下位争いが予想外の展開になる可能性がある。
下位に沈む可能性
最も心配なのが、J1の20クラブで唯一2連敗を喫した名古屋だ。まだ開幕2試合を終えた時点の最下位なので数字上は全く悲観する必要はないが、開幕戦で鹿島に0-3、第2節で町田にも2試合連続完封負けを喫した内容を見ると、危機感を抱かなければいけない。ディフェンスラインは不安定で、再三ピンチを招いている。GKランゲラックの好守がなければ町田戦も大量失点を喫していた。中盤に稲垣祥、森島司、和泉竜司と技術の高い選手がそろい、スピードが武器の久保藤次郎、左足から高精度のクロスが武器の山中亮輔、前線にもキャスパー・ユンカー、パトリック、永井謙佑と得点能力の高い選手がいるが、攻撃に連動性を欠きチャンスすらつくれない。
「昨季はJ1で6位ですが、マテウス・カストロが8月にサウジアラビアのクラブに移籍した後は一気に失速しました。オフもDFラインで主力が一気に抜けたにもかかわらず満足のいく補強ができなかったので、戦前から苦戦が予想されていました。戦術的にも個に依存したサッカーで、相手をどう崩して点を取るかというチーム全体の狙いが見えてこない。大きなテコ入れをしなければ、このまま下位に沈む可能性があります」(名古屋を取材するライター)