町田のDF鈴木準弥

 そして、優勝争いのダークホースになりそうなのが、昨年J2で圧倒的な強さを見せ、J1に初昇格した町田だ。青森山田高で全国3冠を含む日本一に7度導いた黒田剛監督が昨季就任し、そのチームづくりは日本のサッカー界で「異端」とされている。後方から短いパスを重ねて組み立てるクラブが多いなか、ロングボールを多用して前線に当ててこぼれ球を回収し、縦に速いサッカーで攻め込む。フィジカルの強さとスピードが要求されるスタイルで、相手陣内のゴールに近いスローイングでは、ロングスローでどんどん入れ込む。肉弾戦に相手は消耗し、ミスが誘発される。美しさより勝つことに執着したサッカーはJ1でも通用している。開幕戦のG大阪戦は1人退場した後半にドローに持ち込まれたが、第2節の名古屋戦は1-0でJ1初白星。1点差だったが、内容は完勝だった。前半21分にDF鈴木準弥が右サイドからロングスローを入れ、その跳ね返りを鈴木が再び拾うとクロスを入れ、FW藤尾翔太がヘディングで先制。その後もMFバスケス・バイロン、FW 平河 悠が両サイドを何度も切り裂いて好機を演出した。

攻撃がさらに強化

「町田のサッカーはアジア杯で日本代表が敗れたイラン、イラクと重なります。無駄な手数をかけずにどんどん前に行く。ポゼッションサッカーを標榜するチームはやりにくいでしょう。昨季J2MVPに輝いたFWエリキがケガから戻ってきたら攻撃がさらに強化される。ポイントはフィジカルが強いチームとの対戦ですね。昨季も栃木、秋田などサッカーのスタイルが似たチームとはやりにくそうで、相性が良くなかった。第3節の鹿島戦は今までの相手と強度が違うので、どういう試合を見せてくれるか楽しみです」(スポーツ紙デスク)

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下位争いが予想外の展開になる可能性