ペア・マティアス・ヘグモ新監督が就任した浦和も、チームづくりに時間がかかりそうだ。開幕戦は広島に0-2で敗れ、第2節の東京V戦も終了間際に同点に追いつくのが精いっぱいだった。浦和は昨季開幕2連敗を喫したが、その後は引き分けを挟んで5連勝と立て直した。名古屋と違ってJ1屈指のセンターバックコンビのアレクサンダー・ショルツ、マリウス・ホイブラーテンを擁するため守備陣が崩壊する危険性は低いが、新戦力がフィットしていないのが気がかりだ。FC東京から移籍したMF渡邊凌磨は不慣れな左サイドバックで起用されているが、高いパフォーマンスを発揮しているとは言えない。清水から移籍したFWチアゴ・サンタナも周囲とかみ合わず、消えている時間が多い。
ボールを奪われてカウンター
「ヘグモ監督のサッカーは左右のウイングが生命線です。両サイドからチャンスをつくりたいのですが、良い形でボールを渡せず、相手も研究しているのでドリブルするスペースがなかなかない。サンタナは個で打開するタイプではないので、今のサッカーで結果を求めるのは酷です。選手だけでなく、戦術の問題が大きいと思います。攻撃の引き出しが少ないので手詰まりになり、自陣でボールを奪われてカウンターを食らう。選手層が厚いチームなので立て直す手段はいろいろあると思います。現在のサッカーに固執するようだと厳しい。勝利を計算できる格下のチームは一つもないですし、修正がうまくいかないようだと優勝争いどころか降格争いに巻き込まれる事態もあり得ます」(スポーツ紙記者)
今年のJ1リーグは各クラブの実力が拮抗している。優勝争い、降格争いは共に最後まで目が離せない展開になりそうだ。
(今川秀悟)