まさに群雄割拠だ。今季のサッカーJ1リーグは開幕2試合が終了したが、連勝したクラブがゼロ。2005年以来19年ぶりの出来事だった。
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開幕戦で白星を飾った優勝候補のクラブが第2節にいずれもホームで敗れている。昨季J1覇者の神戸は柏に0-1、昨季2位の横浜FMも福岡に0-1で敗れた。20、21年のJ1覇者の川崎も磐田に4-5と打ち合いで力尽きた。
「試合内容を見ると決して番狂わせではありません。柏、福岡、磐田は勝つべくして勝っている。今年の優勝争いを予想するのは非常に難しい。連覇を目指す神戸はACLとの両立で過密日程になる。各ポジションを補強しましたが主力の年齢層が高いので、夏場以降に失速する懸念がある。横浜FMはハリー・キューウェル新監督が就任しましたが、チームづくりにもう少し時間がかかるのでは。昨年から縦に速い攻撃が研究されて手詰まりになっている。前線の外国人選手3人に依存した攻撃も対策されています。川崎はディフェンスラインが不安定なので、どう修正するか。攻守のバランスがいい広島、新加入のFWアレクサンダル・チャヴリッチ、大卒ルーキーの右サイドバック・濃野公人がフィットしている鹿島を含め、優勝争いはシーズン最終盤までもつれる展開になるでしょう」(サッカー雑誌の編集者)
J1に16年ぶりに復帰した東京V
J2から昇格した3つのクラブも奮闘している。昨季J2で2位の磐田は開幕戦で神戸に0-2で敗れたが、前述したように第2節で川崎を撃破した。入れ替え戦を制してJ1に16年ぶりに復帰した東京Vも中身の濃い試合を見せている。横浜FMとの開幕戦では、MF山田楓喜が前半7分にFKを直接決めて先制。その後も好機を再三つくり試合の主導権を握ったが、金星の雰囲気が漂った後半44分に同点に追いつかれると、アディショナルタイムに逆転弾を許した。第2節の浦和戦もFW木村勇大が前半42分に先制したが、試合終了直前に追いつかれた。若手が多く、経験不足は否めないが試合を重ねればたくましくなるだろう。今季初白星はお預けとなったが、強固な守備とパスワークで十分に戦えている。選手層の薄さは否めないが、元山形のチアゴ・アウベスの獲得に動いており、アタッカーとして大きな期待がかかる。