19年M-1王者のミルクボーイは大阪芸術大出身コンビ
19年M-1王者のミルクボーイは大阪芸術大出身コンビ

 4位は慶應義塾大。オリエンタルラジオ・中田敦彦が12年NHK新人演芸大賞で決勝に進出している。ほかには21年キングオブコント王者となった空気階段・水川かたまり、おいでやすこが・こがけんなどがいる。20年NHK新人お笑い大賞で優勝した令和ロマンは2人とも同大出身の慶應コンビだ。

 5位は近畿大。ゆにばーす・川瀬名人、霜降り明星・せいや、GAG・福井俊太郎などがいる。GAGはABCお笑いグランプリで3回、キングオブコントで4回ファイナルに進出した実力派だ。

 6位の明治大出身者には、過去8回ファイナリストとなったジグザグジギー・池田勝のほか、18年のTHE Wで優勝した阿佐ヶ谷姉妹・渡辺江里子、オリエンタルラジオ・藤森慎吾などがいる。

 15年のM-1で敗者復活から優勝したトレンディエンジェル・斎藤司を出した日本大は7位。今回の集計対象外だったが、若手芸人で注目を浴びているのが、日大芸術学部出身の24歳・蓮見翔が率いる8人組コント集団、ダウ90000だ。メンバーには現役大学生もいるなか、今回のM-1で準々決勝に進出したことで知名度を上げた。

 近年注目されているのは大阪芸術大(8位)だろう。21年THE W優勝のオダウエダ・植田志穂が同大落語研究会(「落語研究寄席の会」)の出身だ。また19年M-1王者のミルクボーイや空気階段・鈴木もぐらも同研究会出身。続々と優れたお笑い芸人が輩出している。

東大、一橋大、大阪大出身の芸人も

 難関国立大出身の芸人もいる。大阪大出身・滝音のさすけは、20年にキングオブコントとABCお笑いグランプリで決勝に進出している。一橋大出身者には、さすらいラビー(21年ABCお笑いグランプリ)の中田和伸がいる。東大出身の芸人も1人いる。田畑藤本(17年ABCお笑いグランプリ)の藤本淳史だ。いまはコンビを解散し、ピン芸人として活動している。

 なぜ近年、大学出身お笑い芸人が目立つのか。その背景には、各大学に存在する「お笑いサークル」の台頭があるという。青山学院大のお笑いサークル「ナショグルお笑い愛好会」出身で大学お笑いに詳しい、UHB北海道文化放送ディレクターのふたつぎさんはこう話す。

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個性が伸びる、場数を踏める…大学お笑いの強み