「ただ、ビジネスで使えるレベルとは感じられませんでした。ならば900点を目指そうと、勉強を続けることにしたんです」

 900点を目指す過程で韓国語版の問題集も取り入れた。あえて解説や訳が読めないテキストを使うことで、英語だけで考えるクセを付けたという。そして7年目の2013年に900点、14年には満点を達成した。

 藤枝さんの英語学習はほぼTOEICのリーディング、リスニング対策に特化している。それでも、自然とスピーキング力も身についたという。

「TOEIC教材を学べば、『この場面ではこう話す』という引き出しが増えていきます。音読や、音声と同時に発声するオーバーラッピングを続けていたので声に出すことも抵抗はありませんでした。09年に英語を使う部署に異動して英語力はブラッシュアップされましたが、基礎は話すことも含めてTOEICで身に付いたと思います」

(編集部・川口穣)

AERA 2024年3月4日号より抜粋

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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