※写真はイメージ(gettyimages)

 人口減で企業が海外に目を向けるなか、英語スキルは転職や昇進、昇格の必須条件となりつつある。小学生で英語に触れた20代との差に戦々恐々とする諸氏に、40歳を過ぎてからTOEICスコアを大幅にアップさせた藤枝暁生さんが、勉強法を明かす。AERA 2024年3月4日号より。

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 損害保険会社勤務でTOEIC関連の著書も多数ある藤枝暁生さんは2005年、42歳のころに学習を始めた。当時、損保各社は保険料率の自由化による競争激化で合併を繰り返していた。

「吸収される側の社員は、出向や転籍を余儀なくされることが多くありました。自分も人より秀でたものがないと生き残れないと、焦りを感じたんです。保険の最新情報は英語で入ってくることが多かったから、学ぶことにしました」(藤枝さん)

 TOEICは「聞いたこともなかった」というが、仕組みを知り、合否に分かれる資格試験より取り組みやすいと考えて目標にした。英語学習は大学生以来。公式問題集は「一文に四つも五つも知らない単語がある」状態で太刀打ちできない。ダイアログ形式の参考書で単語を覚えた。

 初受験は07年。目標は700点で、1回でクリアして学習を終えるつもりだったと言うが、結果は550点だった。以降、藤枝さんは公開テストを毎回受験し続けた。2回目は600点。それから13回にわたり、600点台で足踏みした。

「続けるうちに原因がわかりました。英語で読んで、訳して、答えを英語に置き換えるから時間がかかって解き終わらない。英語を英語の語順で理解しなければダメだと気付いたんです」

 リスニング教材を最初は1.25倍、次は1.5倍とスピードを上げて繰り返し聞く。1倍速だと日本語で思考してしまうことから、日本語に置き換えると間に合わない状況をつくったという。すると学習はリスニング一辺倒なのに、リーディングの点数がグングン伸びた。高速再生で英語の語順を叩き込んだ結果、リーディングでも語順通り意味がとれるようになり、読むスピードが格段に上がったのだ。学習を始めて4年目には700点を超えた。

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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