<インタビュー>ベンソン・ブーンが語る、米ビルボード“Global 200”No.1曲「Beautiful Things」をインスパイアした“恐怖”

 ベンソン・ブーンにとって良い時代が到来した。

 米オーディション番組『アメリカン・アイドル』で早くから注目され、その後TikTokで500万人近いフォロワーを獲得している、米ワシントン出身の21歳のシンガー・ソングライターは、2020年代初頭に2曲のピアノ・バラード「In the Stars」と「Ghost Town」で米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”入りを果たした。

 しかし、最新シングルのラブ・ソング「Beautiful Things」では、中盤でエレクトリック・ギターを投下し、ビリー・アイリッシュの「Happier Than Ever」を彷彿とさせるバラード調のナンバーに力強さを注入した。このシングルは彼にとって最大のヒット曲となっただけでなく、Hot 100で15位に初登場し、わずか2週間後には3位へと急上昇。2024年初頭のブレイク曲のひとつとなった。

 現在、ナイト・ストリート/ワーナー・レコード(後者のA&R部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントのジェフ・ソスノーが彼を契約)に所属しているブーンは、自身の大ヒット・シングルがチャートを登り続け、最新の米ビルボード・グローバル・チャート“Global 200”で首位を獲得する中、初の全米ヘッドライン・ツアーに乗り出す準備をしている。最初にチャートインした2曲のマイナー・ヒットでスターダムを少しばかり味わったものの、その勢いはたちまち衰えていった。今回、彼はこの扉が二度と閉じないようにするつもりだと言う。

 「この瞬間のための準備は万端で、過去にはそうではありませんでした」とブーンは説明する。「うまくいった自分の他の2曲では、準備ができていなかった。曲の準備が完全にできていない状態で予告をしていました。多くのことがあっという間に起こり、今思えば、その勢いを維持するためにもっとうまくやれたはずです。でもこの曲については準備ができています。長らく準備してきたので」と彼は語る。

 ここでは、ブーンが新たな代表曲となった「Beautiful Things」のインスピレーション、楽曲がすでに彼を新たなレベルへと導いたと考える理由、そして避けられないアイリッシュとの比較が楽曲を書いている時に念頭に置いていたものなのかについて語ってくれた。


ーー「Beautiful Things」は少し前に完成していたそうですね。この曲を最初にレコーディングしたときや、この曲のアイデアを思いついた時のことについて覚えていますか?

9月29日にピアノで書きました。当時、LAに引っ越してきたばかりで、おばあちゃんの古いピアノを自宅のリビングルームに移動したんです。ある晩、眠れなくなり、どうしていいかわからなくて、1階に降りていってピアノを弾き始めました。その時に「Beautiful Things」のメロディーを書いたんです。次の日にセッションがあったので、スタジオに持ち込みました。

ーー曲の歌詞は、あなたの人生における特定の人間関係からインスパイアされたものですか?

そうです。この曲は当時始まったばかりの恋愛関係にインスパイアされていて、人生で初めてその関係の成り行きをコントロールできないような気がしました。というのは、過去には関係を終わらせるのは自分だと常にわかっていたような気がします。でも今回の恋愛はまったく違う感じがした。何かを失うことに対して、実際に、純粋に恐怖を感じたのはこれが初めてでした。

ーーこの曲は途中でサウンドが転換します。2つのパートを1つの曲として考えていたのですか、それともそれらをつなぐ方法を考えたのでしょうか?

この曲を書いた夜、バースのメロディーのコーラスが思いつかなかったので、別のアイデアに移ることにしました。実はこれらの2つのアイデアは別々の曲として書いていました。一緒に書いたジャック(・ラフランツ)に、スタジオで両方のアイデアを見せたら、(つなぐことを)提案してくれました。一つの曲にしようと提案してくれたのは彼です。

曲の構成を考えるのには時間がかかりました。全てをゆっくりにするのか、または最後に1コーラスやるのか、3コーラスやるのかわからなかったので。すでにプロダクション作業を終えていて、すべてをやり直すのに2週間かかりました。でもそうしたことでやっと解決策が見つかったんです。出来上がりにはとても満足しています。

ーーそのフォーマットでうまくいくと確信した理由は?一度聴いただけで、「よし、これはいける」と思ったのですか?その瞬間からすでに、その部分がSNS上で再生されることが見えていたのでしょうか?

コーラスをプロダクションとともに聴いた時点で、ビッグな曲になる可能性があると思いました。SNSで予告したり、自分の音楽を宣伝したりする上で、何が起こるかは予想できない。自分にできることは、(曲を聴いてもらえるよう)プッシュするためにベストを尽くすだけ。でも、すごく気に入っているので、この曲は本当に売れてほしいと思っていました。

TikTokの動画以外では、自分にとって大きな変化だと感じています。正しい方向への転換で、これから発表される自分の他の音楽により似ていますね。

ーー同僚や友人とこの曲について話していると、オープニングはスローで、途中で曲調がガラリと変わり、そして最高潮に達して終わるという点で、ビリー・アイリッシュの「Happier Than Ever」を参照したのではという意見が多く挙がります。この曲について、一度でも考えたことはありましたか?

この曲を書いたとき、特定の曲については考えていませんでした。でも、あの曲は素晴らしいし、ある意味「Beautiful Things」も似たような構成になっていると思います。始まりと終わりですごく劇的に変化する曲というのは素晴らしいですよね。ここ数か月間に書いた曲の多くに、テンポやプロダクションが変わったり、すべてが少し速くなったり遅くなったりするといった共通点があります。でもなんと言ってもビリー・アイリッシュ。あの曲は最高で、本当にいいですよね。

ーー「Beautiful Things」は、あなたが今後リリースする新曲と少し近いかもしれないと言っていましたが、それらは主にギターを意識した内容ですか?これまでは、ギター・サウンドが際立っているものはあまりなかったですが、この曲はかなりロックです。今後発表していく新曲とはどのように馴染んでいきそうでしょうか?

これまでの曲の多くは、ピアノ・ベースでした。もちろん、今も曲の中でピアノをたくさん使っていますが、よりギターがヘヴィーな曲が増えていることに満足しています。

ギターが大好きなんです。前回曲を発表したときから、全体的に自分の声がかなり成熟してきたと感じています。自分のスタイルもほんの少し変わってきている。今後、数か月の間に発表する曲は、将来自分がリリースしていく音楽に近いと思いますね。すごく楽しみです。

ーーツアーで「Beautiful Things」を演奏した際、どれほど大きな瞬間になるか、すでに思い描いていますか?

そうですね、あのコーラスをみんなと一緒に歌ったらどんなにクールだろうとか、いろいろ考えました。リリース当日の夜、ユタ州でポップアップ・ライブを行ったんです。開始1時間前に告知したのですが、数千人が来てくれました。本当に最高で、みんなのためにこの曲を歌ったらすごい反響でした。あれほど多くの人々が一緒にあの曲を叫んでくれたなんて、本当にクレイジーでしたね。

ーーツアー以外で、今年特に楽しみにしていることはありますか?

今まで行ったことのないような場所にも行く予定で、ツアーのことばかり考えてます。でもツアーやすべてのショーが終わった後は、友達と一緒に過ごすのがすごく楽しみですね。みんなで2週間ぐらいギリシャ旅行に行って、人生を謳歌するつもりです。

Interview: Andrew Unterberger